春夏冬くんのみえてる世界
九十九まつり
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突然だけど、私はまた死んだらしい。またというのも、私は何度も転生し、その時の記憶を持ったまま人生を生きてきた。今回はファンタジーな世界で、平民として暮らしていたけど、聖女の恋愛のごたごたに巻き込まれて死んだ。それ以前はお姫様だったり、悪女だったり、魔王だったりしたから、今回は平和に生きたいと願っていたのに…。なんで聖女様が平民の男と恋に落ちて、男と幼馴染の私が聖女様に嫌がらせをしているとデマを流されて、処刑されたのだろうか。そんなことしていないのに。平民の私のことなど誰も耳を傾けなかった。私は無実の罪で処刑されて、それを可哀そうに思った神様が、今、私の次の転生先で望むものを聞いている。
「お金と力ですね。世界トップレベル金持ちじゃなくて、名前はあまり知られてないけどそこそこ金持ちみたいな。」
お金がありすぎても、困ることが多かったし。脅迫や誘拐されたことも多々あるので、来世ではそんなこと起きてほしくない。でも、お金がないと解決しないこともたくさんあった。それと力が欲しいのは、お姫様だった時の自分の無力さを知ったからだ。好きな人を助けられるくらい強くなりたい。
「…そんなんでいいのか?最近の人間は超能力やら、美貌やら、ハーレムを作りたいやら、色々な願いを言ってくるものだが…。」
「…では、力は成人男性お姫様抱っこできるくらいで。あと、できれば魔王がいない世界で、平和に暮らせそうなところがいいです…。」
「わかった。今、空き状況を見て、まぁまぁ良さそうなところがあったから、そこでいいか?」
待っていてもやることはないし、私は頷いた。どんな世界でも、今まで生きてきた世界よりはましだろうと信じて。
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