第11話

「矢野さん、これ今若者に人気のあるパソコン雑誌なんですけど、ご覧になられますか?」

真来は翌日早速GEEを矢野に渡した。

「そう」

矢野はそう言うと早速ペラペラ捲り出した。

真来はホッとすると、運転席に乗り込んだ。

こうして車を走らせていると矢野が言った。

「これは面白いね」

「それは良かったです」

真来はそう返すと、テレビ局に向かったのである。


テレビ局の前には沢山のファンが待ち構えていた。

矢野が車から降りると歓声が上がる。

ファン達が押し寄せないように警備員達がガードしている。

真来は矢野を守るようにしてテレビ局の中に入った。

矢野は堂々とした足取りである。

控室に入ると続きが気になるのか、早速ソファに座ってGEEを読み始めた。

まもなくメイク担当と衣装係が来て矢野はダンディに更に磨きが掛かった。

今日はテレビのインタビューである。

真来はまた矢野に対する情報を一つ増やした。GEEに興味ありと矢野ファイルに書き込んでおこう。

今日はこの後は劇団あすかで演出の仕事が待っている。

2時間の予定だった。

それが終わると、映画の撮影が夜の10時まである。

スタッフが呼びに来て、矢野と真来は控え室を出て行った。

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