東武戦線異状なしZERO
鷹山トシキ
第1話
1989年、昭和から平成に切り替わろうとしていた。東武練馬署は東京にしては安全なエリアだ。それは加藤彪馬という敏腕課長の存在があってこそだ。ある日篁課長が辞職した七曲署に加藤が派遣されることになる。DJ刑事の殉職劇などを描く。
一方の東武練馬署は小早川課長が着任。彼は部下を駒のように扱う冷酷な男だった。ある日、小早川のせいで多くの犠牲者が出る。その事件はかつて殉職した山村刑事が追っていたホシだった。新宿と東武練馬2つのエリアが舞台となる。
昭和から平成へと時代が移行し、東京の風景も少しずつ変わろうとしていた。新しい時代の波に乗り、東武練馬署は引き続き比較的治安が良いとされていたが、その平穏は小早川課長の着任によって破られることとなる。
小早川課長は、外見こそ冷徹な男に見えるが、その内面には冷酷な一面を隠し持っていた。彼は部下をまるで駒のように扱い、成果を上げることを最優先にしていた。そのため、彼の下で働く刑事たちは次第に彼に対して不信感を抱き始める。しかし、彼の指示に逆らえば、確実に処分されるという恐怖もあった。
ある日、東武練馬署で大きな事件が発生する。小早川課長の判断ミスにより、捜査が遅れ、複数の無辜の市民が犠牲となる大事件が起きた。事件の背後には、かつて殉職した山村刑事が追っていた凶悪犯が関わっていた。山村刑事は、確実に犯人の情報を掴んでいたが、その命を捧げる形で事件は未解決のままとなっていた。
事件が明るみに出ると、東武練馬署はその対応を巡って大きな批判を浴びることとなった。小早川課長は最初こそ冷静を装っていたが、次第にプレッシャーに押し潰されていく。そして、彼は自らの過ちを認めることなく、責任を部下に押し付ける形で事態を収束させようとする。しかし、これに反発したのが加藤彪馬刑事だ。
加藤は、以前、篁課長の下で仕事をしていた敏腕刑事で、その仕事ぶりは周囲からも高く評価されていた。篁課長の辞職を受けて、七曲署に異動となった加藤は、そこでDJ刑事の殉職事件に遭遇することになる。DJ刑事は、かつて加藤の部下であり、彼の死は加藤に深い衝撃を与えた。その殉職劇は、加藤の心に火をつけ、彼は刑事としての誇りを取り戻すと同時に、東武練馬署で起きた事件の真相を追う決意を固める。
加藤は、山村刑事がかつて追っていた犯人の手がかりを追い、新宿から東武練馬にかけてのエリアで捜査を続ける。その中で、加藤は小早川課長の冷徹さが事件を悪化させていたことに気づく。彼の冷徹な指示が、真犯人の取り逃がしや、市民への犠牲を生んでいたのだ。
加藤は、東武練馬署の内部で起きた不正や小早川の隠蔽工作を暴くことを決意する。しかし、彼がこの道を進むにつれて、彼の周囲にも危険が迫り、かつての仲間たちの中にも裏切り者が現れることになる。加藤は自らの命を懸けて、真実を追い求める。
東武戦線異状なしZERO 鷹山トシキ @1982
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