リアルライフAIナビゲーター

@yakiniku1111111

リアルライフAIナビゲーター

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人生には様々な選択肢が存在します。今日の昼食をなににするか?どこへ遊びに行くか?

というささやかで大した影響もない選択肢から 通う学校、就職先、結婚相手の選択など

人生を大きく左右する選択まで多種多様です。


「目的地まであと5キロメートル左です」


目的地を設定するだけで正確な道のりを示してくれるカーナビゲーションシステム

便利ですよね?誰しもが一度は使ったことがあるのではないでしょうか?


ここにとある天才AI開発技術者が作り出した、リアルライフAIナビゲーションシステムという

機械があります。


AIが人工衛星を介してスーパーコンピューターを通し世界中の情報網にアクセスし様々なデータを高速で収集し

的確な正解を導き出してくれる 夢のような機械


ここに 一本道 青海という その夢のような機械を手に入れAIの指示にただただ従って生きている一人の男がいます


AIの指示に従う?そんなの間違いだ

人生の選択は己自身の判断で決めるものだ なるほど その考えは一理あると思います

もしあなたが そんな人生の選択を的確に決めてくれる機械を手に入れたとしたら


あなたはその指示に従いますか?従いませんか?

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経営会議は重苦しい雰囲気に包まれていた

一月に一回行われるこの経営会議は誰しもが気が重いものだが今回の会議は議題が議題なだけに更に気が重い物だった

今回の議題は至って単純「A社とB社どちらの取引を停止するか」である


経理課長である宮下は係数資料を提示しながら自分なりの今後の経過の見通しなどを述べているが

半分くらい誰も聞いていなかった


というのもこの会議の結果なんてわかりきっているようなものだったからだ

誰しもがB社との取引を停止するだろう 誰しもがそう考えていることは明らかだった


A社は名前を出せば誰でも一度は聞いたことのある有名な自動車メーカー

対するB社は名前を出されても業界内の人間くらいしか わからないであろうマイナーな自動車メーカー


長年取引を続けていた両社だが 昨今の不況の影響でどちらも業績は下降の一途を辿っている

それはこの会社とて例外ではないがギリギリの所で黒字を保っている

とはいえ その黒字も両社と今後 取引を続ければ維持するのは危うい


そこで今回の会議の議題である どちらかのクビを切って自分の利益は確保する

非情に聞こえるかもしれないが やむを得ない選択を迫られるのが経営と言うものである


そうは言っても この会議の結末などわかりきったようなものだった

A社は業績が下降しているとは言え安心安定の大手有名企業、ここから持ち直す見込みは大いにあるだろう

B社は言っては悪いが沈むことがほぼ確定している泥船である 計数資料の内容を見る限り倒産間近なのは間違いないだろう

はっきり言ってこの会社との取引が停止すれば完全に死を迎える

なので経理課長の説明など右から左に聞き流している者がほとんどだった


ではB社との取引を続けてあげればいいではないか?と思うであろうがそうはいかない

慈善事業をやっているわけではないのだ 自分の会社にとってデメリットにしかならない存在と判断されれば簡単に切られる

それが会社を続けるという事である




会議室に流れる重苦しい空気 それは判断の難しさから来るものでなく

わかりきった死刑宣告を下さなければならないという重苦しさだった

誰だって自分の一票で会社が潰れる なんて一票は投じたくないのが当たり前の人情だ

この会議の結果 B社の社長が借金まみれになり首を括り大勢の妻子もあるであろう社員達が路頭に迷う

どんな末路を辿るか なんて考えたくもない

だからこそ会議室全体の空気は重かった


経理課長の説明が終了し いよいよ どちらの会社との取引を停止するかの採決を取る瞬間になった時に

「ちょっと待った」と声を出した者がいた


声のしたほうに目を向けると声の主は大方の人間が予想した通り この会社の風雲児と評される男

「一本道 青海」だった


一本道 青海という人間は正確に言うとこの会社の人間ではない この会社の社長がどこからか見つけてきた

経営コンサルティングだ


少数の個人経営のコンサル会社の人間だが ほぼこの会社専属の経営コンサルとなっており

他所の会社の人間とは言え この会社への影響力は非常に大きく実質この会社のNo2と言っても過言ではない男だった

とにかくこの男の驚異的な事は選択を間違えないという事である


この男の判断の言うとおりにしてこの会社が損害を出したことなど一度もなく

ギリギリとは言え この会社が黒字を保っているのもこの男のおかげと断言してもいい


はっきり言うとこの会社の社長は親の跡をただただ引き継いだだけの経営のケの字もわからない ただのボンクラ社長である

なにかと言えば現場の苦労もしらず コスト削減だのなんだのわかったようなことを口にして無理難題 不可能なことを口走り

さも有能経営者顔をしているが 実際のとこ この会社で一番いらない人間は こいつなのかもしれないと内心誰もが思っている


この社長が成した唯一の功績と言えるものは この一本道 青海という有能コンサルを見出したことのみだろう


その有能と言える 青海があろうことか B社との取引を続行しろと提案しているのである

もう結果が決まり切っていると思っていただけに会議室の空気が凍り付いた

確かに今まで青海の判断に間違いがあったことなどなかったのだが今回ばかりは その選択はあり得ないだろう

そう誰しもが思っていた


「その判断基準の根拠はなにかね?青海君」

青海の判断には基本的に口出しをしてこなかったボンクラ社長も流石に今回ばかりは疑問に思ったらしい

正直言ってA社の取引を打ち止めにしB社との取引を続けた結果 B社が倒産してしまえば この会社だってただでは済まない

社長がこの選択に難色を示すのは当然とも言える


「独自の調査結果です 私の言う事を信じられないのであれば それで結構 所詮私はこの会社の外部の人間です

私の提示した経営戦略を利用するもしないも あなたたちにお任せします」


あまりにも自信満々な態度にある程度は みんなの心が揺れ動いたようだが今回ばかりはいくら青海の言葉とは言え

結果を覆すには至らなかったようだ満場一致でB社との取引停止が決定した・・・かのように思えたが


「待ちたまえ」ボンクラ社長がこの結果に待ったをかける

「青海君の提案は社長である私の提案も同然だ・・・と言ったことを忘れてはおるまいな。A社との取引は停止する

取引続行はB社決定だ」

会議室全体にため息が流れる、社長が熱心な青海信者だという事は知っていたが ここまで来ると暴走である


まぁ会社の中には 外部の人間の癖にでしゃばりを続ける 青海を疎ましく思うものも少なくはなかった

今回の青海の選択のせいで会社が大損害を被れば 青海の面子は丸つぶれ会社から追い出す口実にもなるだろうと喜ぶ人間も少なからずいた


しかし後日 私たちは青海の恐るべき経営戦略の手腕に驚愕することになる


A社が無理なコストダウンを続けた結果、自社製品に重大な欠陥が生じ それを上層部の人間がリコール隠し

それが週刊誌によってすっぱ抜かれA社の信用は地の底に落ち 一気に経営状況が悪化 倒産寸前にまで追い込まれる騒ぎになったのだ


対するB社は極秘に開発していたらしい新機軸のガソリンに頼らない経済的で地球の環境に優しく性能まで従来の自動車と変わりない

新時代の自動車の製造に成功 業績が一気に向上の一途を辿ったのだ


青海の判断は正しかった・・・青海の独自リサーチというものがどういうものかは不明だが

誰しもが予想もできなかった会社の危機を未然に防ぎ莫大な利益をもたらした


青海はもはやこの会社にとって伝説的な存在となっていた



僕の名前は 一本道 青海

僕は最近はずっと悩んでいた

悩みの原因はリアルライフAIナビゲーションシステムという機械についてだ

僕がこの機械を手に入れた きっかけは父親の急死だった

僕は父がなんの仕事をしているか知らなかったが どうやら父は有名なAI開発科学者だったらしく

父の遺品の中に この機械を僕に譲る旨、取り扱い説明書などが付属していた


最初は半身半疑だった僕だったが この機械の指示通りに動いていたら間違いはなかった

僕はこの機械を手に入れて以来 友達、入学する学校、就職などに至るまで全てこの機械の無機質な合成音声に従って生きてきた

幸せな人生だったと言える、なにも悩むことはなく難題にぶつかることもなく この機械の指示のおかげで的確に最短で最良の選択を選び続けて来れた

この機械とこの機械を僕に残してくれた父には感謝の気持ちしかない・・・


けれども僕はこの幸せに最近疑問を感じるようにもなってきた

(僕は生きていると言えるのだろうか?なんのために僕は生きているのだろうか?)

AIの言うとおりに従って手に入れた 今の自分の地位、手に入れた物 全てに虚しさを感じるようになってきたのだ

このままで僕はいいのだろうか?ここ最近ずっと僕はそればかりを考えて生きている



「おかえりなさい 青海さん」

太陽のような笑顔で僕の帰りを迎え入れてくれる女性

「浦部 義理子」僕が愛している女性の名前だ

今、同棲をしているという関係だが将来 結婚を・・・とも考えている

彼女にはまだ内緒だけれども こっそりと結婚指輪まで買っている

いつ、どのタイミングで結婚の話を切り出そうか リアルライフAIナビゲーターに聞いてみるのだが


!! その女性とは別れてください !!


!!警告です!!


!! その女性とは別れてください !!


と いつも通りの返事が合成音声で返ってきた

僕はため息をついて機械の電源を落とす


「どうしたの?青海さん 疲れたような顔をして」

義理子が不思議そうな顔をして僕に話しかける

「ああ、なんでもないよ 気にしないで最近ちょっと疲れてるだけ」


義理子は僕の人生で唯一の例外的存在だった

全てにおいてリアルライフAIナビゲーターに従っていた僕であったが 恋人だけは自分自身の選択で決めていた

多分 僕の選択は最良ではないのだろう世の中にも数えきれないほどの女性がいるのだから

義理子以上に僕にふさわしい女性も世の中にはいるのはわかる


でも 僕は義理子以上に好きになれる女性がいるとは思えなかった

所詮 リアルライフAIナビゲーターは利益や損得ばかりでしかものを考えられない

人間の感情など理解できない機械なのだ


僕はこの機械がどんなに否定したとしても義理子と生涯を共にする・・・そう決心してはいるのだが

いままで僕はこの機械の指示に従ってばかりで生きてきた

この機械に選択を否定されると二の足を踏んでしまう自分がいて プロポーズに踏み切れない

そんな自分が情けなかった


リアルライフAIナビゲーション、それは僕にとって祝福であると同時に振りほどけない呪いにもなっていた



そんなある日の事だった 僕は社長室に呼ばれていた

「社長 私に話とは一体なんでしょうか?」

社長は一枚の写真を取り出し 僕に差し出した

写真には高級なブランド品であろう服を身につけた女性が写っていた

「青海君、君はこの女性を・・・どう思うかね?」

「どう思う?と言われましても・・・まぁ 綺麗な人ですね という感想しか浮かびませんが」

「その子は 私の娘なのだが青海君のことを話したら興味を持ってね、実は時々 会社に来ては君のことをこっそり見に来てたんだ」

ここまで話を聞けば 察しの悪い僕にも社長がなにを言いたいのかわかった


「一度 娘と一緒に食事だけでも付き合ってもらえないだろうか?もちろん青海君さえ良ければ 娘と恋人同士になってくれても構わない」

残念だが義理子以外の女性と付き合う事なんて考えられない、僕はすぐにでも断りを入れようと思ったのだが

「娘に恥をかかせるのは流石の君でも私は許さんぞ、そう重く考えるな まず食事だけでいいんだ その後のことは ゆっくりと青海君 自身の

気持ちに従ってくれればいい」


僕の気持ち・・・僕はそういえば自分の気持ちに従って選択をしたことなど 今まであっただろうか?

僕はリアルライフAIナビゲーションを起動し 社長の娘と食事に行くべきかどうか聞いてみた


答えは 食事に行くべき だった



社長の娘との食事に来たものの料理の味などまるでわからなかった

僕は一体なんだというのだろう 義理子しか 僕にはいないなどと偉そうなことを言っておきながら

機械の指示に従ってこの場にいる 情けない男にもほどがあった


「青海さん・・・私との食事 楽しくないですか?」

社長の娘さんが僕に声をかける

「あっ、いえ そんなことないです ただこういう高級なレストランでの食事はなれていないもので」

「家で同棲している彼女の事を考えてたんでしょ?」

僕はどきりとした この女 義理子のことを知っていたのか


「私 言っておくけど気に入った物はなんでも手に入れないと気の済まない女なの だから絶対手に入れるわ あなたのこともね」

彼女の宣戦布告とも取れる言葉で 今回の食事は終了した


僕は気の重い気持ちで家に帰って来た

会社関係の付き合いだからといって義理子以外の女性と二人きりでの食事 これは裏切りではないだろうか?

僕は義理子に今夜の社長の娘さんとの約束のことは言えていなかった

僕の胸の中は罪悪感でいっぱいになり はちきれそうだった


玄関の扉を開け 部屋に入った瞬間、すぐに異変に気が付いた

義理子が・・・いない?コンビニかどこかへ出かけてるのだろうか?

僕はそんな雰囲気ではないことを察していた 毎日毎日待たなくてもいいのにどこにも出かけず寝ずに律儀に僕の帰りを待っていた

義理子だぞ 今日この日このタイミングで たまたま気まぐれで今日出かけているなんてことがあるだろうか?


僕は嫌な予感がして部屋中を見回してみた

するとテーブルの上に一通の書置きが残されていた


義理子からの手紙だった内容は(あなたの幸せな未来のために身を引きます さようなら)という内容だった


・・・

僕はリアルライフAIナビゲーターを起動した

「リアルライフAIナビゲーター、僕は義理子と社長の娘 どちらを選べばいい?教えてくれ」


!! 社長の娘を選んでください !!


「そうかわかった・・・もう一つだけ質問だ」


「義理子はいま どこにいる 場所を教えてくれ」

機械は いま どこに向かえば義理子に会えるかを教えてくれた


「ありがとう リアルライフAIナビゲーター・・・それが最後の質問だ」

僕は工具箱からハンマーを取り出すと それをリアルライフAIナビゲーターの上に振りかぶり そのままハンマーを振り落とし

機械を粉々に叩き割った


涙でぐしゃぐしゃになった顔をしながら 義理子は空港にいた

「青海さん・・・どうしてここにいるのがわかって・・・」

僕はなにも言わず 彼女の唇を奪った

彼女は驚きの表情で僕の瞳を見つめ返す

それだけで彼女は僕がなにを言わんとしているのか悟ったらしい


「本当に・・・こんな幸せなことってあるんですか?青海さんは本当に私で・・・いいんですか?」

「私 料理そんなにうまくないでしょ?お金だって持ってないし そんなに美人でもない」

「私は社長の娘さんのように あなたになにかを与える事なんてできないよ?」

「私なんか・・・あなたに選ばれる資格は・・・

「社長の娘さんと一緒になる・・・それがあなたにとって一番の選択なのに・・・」



「僕にとって一番の選択は君を選ぶことだ」

「確かに社長の娘さんを選べば安定で豊かな人生かもしれない 最良で最高の未来であることに間違いはないだろう」

「でも僕は例え 最良で最高の未来でなかったとしても 君と一緒に幸せを分かち合いたいし君と共に苦労をしたいんだ」

「仮にそれが 苦難ので難題でいいことが一つもないような他人からみたらいい事なんか一つもない不幸な未来になったとしても 僕は君を選んだことを絶対後悔したりしない」

「僕にとっての最良の未来は 君を選ぶこと君が僕のそばにいてくれることだ」


「君のいない未来の選択なんて 僕にはありえないんだからッ!!」


義理子は僕の胸の中で泣いていた

そんな義理子のことを僕はただ黙って抱いていた


義理子が泣き止んだタイミングで僕はずっと言えなかった、この言葉を義理子に言った


「義理子、僕と結婚してほしい 必ず君を幸せにして見せる 義理子が僕を選択してくれたことを後悔させないようにするから」

義理子は 黙って僕の差し出した指輪を受け取り



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そのまま 薬指につけてくれた

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ここにとある天才AI開発技術者が作り出した リアルライフAIナビゲーションシステムという

機械がかつてあった


今は壊れてしまって動かなくなってしまったけれども


AIが人工衛星を介してスーパーコンピューターを通し世界中の情報網にアクセスし様々なデータを高速で収集し

的確な正解を導き出してくれる 夢のような機械


ここに 一本道 青海という その夢のような機械を手に入れAIの指示にただただ従って生きている一人の男がいた

もうそれは過去の話になったけれども


AIの指示に従う?そんなの間違いだ

人生の選択は己自身の判断で決めるものだ そもそも人生の選択に間違い?というものは 存在するのだろうか?

例え 自分の選んだその選択が正解であったとしても不正解であったとしても それをどう捉え それをどう生かすかは

本人次第だ


もしあなたが そんな人生の選択を的確に決めてくれる機械を手に入れたとしたら


あなたはその指示に従いますか?従いませんか?

僕はそう聞かれたら 指示にただただ従うだけの 幸せで順調だけど中身が全くない人間だった


義理子との未来がどうなるのかはわからない


でも たった一つだけわかることがあるとするのなら 僕はどんな未来が待っていたとしても


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自分自身の心に従って選択した この答えに誇りを持ってる

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三年後 一本道 青海は死んだ

交通事故だった

青海と義理子が結婚したのちにとわかったことだが

リアルライフAIナビゲーターを作った天才科学者は青海の実の父親ではなかった


実の父親は日本有数の資産を持つ資産家であり 青海はその資産家が遊びで付き合った時にできた子供で

科学者の父親と青海の母親は再婚であり 青海は母親の連れ子だったのだ

まだ小さかった青海が その事実を知らないのも無理はなかった


青海の本当の父親が亡くなり 青海の元には莫大な遺産が手に入った


そして青海も交通事故で亡くなった 現在 その莫大な財産は義理子一人の物となった


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義理子の手元にはリアルライフAIナビゲーターがあった

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青海の使っていた物とは別物である

全ては機械の指示だった 青海と同棲したのも青海と別れることにしたのも全て

ナビゲーターの指示通りに動いた


勘違いしないでもらいたい 義理子は青海を財産目的で殺害したわけではない

ただ単にナビゲーターの言うとおりのタイミングで旅行に行こうと提案したら

結果的に交通事故で青海が死に義理子が生き残った


義理子は何一つ 悪事はしていないのである

ただただ ナビゲーターの通りに人生を選択しただけだ

青海が死んだのはあくまでも「不幸な運命が招いたただの事故」である


義理子は預金通帳に記されている莫大な数字を眺めて 一人高笑いをしていた


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リアルライフAIナビゲーターの指示通りに生きてれば良かったのに馬鹿な男だったわね~

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義理子は結婚式の時に撮った 写真を額縁から取り出し

くしゃくしゃに丸めると







ゴミ箱に捨てた



終わり



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人生には様々な選択肢が存在します、


ここにとある天才AI開発技術者が作り出した リアルライフAIナビゲーションシステムという

機械があります


AIが人工衛星を介してスーパーコンピューターを通し世界中の情報網にアクセスし様々なデータを高速で収集し

的確な正解を導き出してくれる 夢のような機械



AIの指示に従う?そんなの間違いだ

人生の選択は己自身の判断で決めるものだ 



そういえばあなたは先ほど そう言いましたよね



今の話を最後まで聞いたうえで、もう一度だけ質問しますね

もしあなたが そんな人生の選択を的確に決めてくれる機械を手に入れたとしたら


あなたはその指示に従いますか?従いませんか?

どうしますか?

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