エッッッッ!推しの巨乳店員がいる深夜の寂れたコンビニには秘密のえち番くじが売ってるって本当ですか?

モブ俺製作委員会

第1話 長めの茶髪ボブがキュートなロケット高畑さんのロケットおっぱい

 急行や快速の止まらない寂れた駅「依知(えち)」。


 都内とは言え、職場のある十駅向こうの「巣毛辺(すけべ)」と比べると、その賑わいは雲泥の差、月とすっぽん、光と闇。

 深夜営業をしている店は駅前ですら存在せず、日付が変わって帰宅する頃には、裏通りの小さなコンビニぐらいしか開いていない超絶過疎地域。

 だから決まってここでビールとつまみを買って晩酌をするのが社畜の俺の密かな楽しみでもあるのだが、それとは別のお楽しみがある。


(さて、今夜はどっちかな?)


 越ヶ谷さんと高畑さん。

 推しの巨乳店員の二人、どちらかがランダムに出勤していることだ。

 もちろん知り合いではないし素性も知らないけれど、面と向かって接客される数十秒は俺にとって仕事の疲れを癒してくれる至福の時間と言える。


 ガガーッ。


 反応がイマイチな自動ドアも今や慣れっこ。

 一拍置いてから開くので、初心者は必ず顔面を強打して悶えるまでがセットの初見殺しだ。


「いらっさいませー」


 お、今夜は長めの茶髪ボブがキュートなロケット高畑さんだ。

 店内の有線よりも陽気でハキハキとした心地よい歓迎の声。深夜にもかかわらずこのテンションは彼女の最大の特徴とも言える。

 それはそうとなぜロケット? かと言うと、レジ横のホットショーケースに並んだ肉まんのようなロケットおっぱいが今にもコンビニ制服からはち切れそうだから。


(いつか、高畑さんのような元気で可愛い子を彼女に欲しいものだ)


 としみじみ感じながら、目当ての商品をレジに持って行くと――今夜はいつもとは違う展開が待っていた。


「遅くまでお仕事ご苦労様っす」

「え?」


 なんと、高畑さんが笑顔で話しかけてきたのだ!


「いつもこの時間に来てくれるから……。お兄さんの顔、覚えましたよ」

「そうなんだ」

「タバコ、いるっすよね?」

「あ、ああ。一番上の……」

「了解っす」


 と言って背中を向け、鼻歌交じりでレジ後ろに設置されているタバコの陳列ケースへ手を伸ばす高畑さん。


(ビックリした。まさかいきなり話しかけてくるなんて――)


 突然の出来事に胸が高鳴る俺。

 そして、矢継ぎ早に胸をときめかせるイベントが続く。


「~♪」


 ロケットおっぱいを持つ高畑さんは、お尻もまたキュート。

 だからこうして、わざと上段にあるタバコを選び、陳列ケースに背伸びをさせることで合法的にミニスカ越しの健康的なプリケツを拝む――これも俺のお楽しみルーティン。


 ちなみに、実は俺はタバコを吸わない。

 だからこのたった数秒のために五百円を支払っているわけだが、それを差し引いたとしても、今目にしている光景はプライスレス。


「あの、店員であるあたしがこういうこと言うの、あれっすけど」

「うん?」

「タバコ、ほどほどにした方がいいっすよ? 吸い過ぎは身体によくないって聞くし」


 確かに客商売をしている側から、ほどほどにした方がいいなんて言われるのは不思議だけども。

 逆に、俺の身体を心配してくれている彼女の純粋な心遣いにますます胸が弾んだ。


「それにしてもお兄さん、ビールとおつまみとカップラーメンとタバコ。生活習慣病待ったなしの組み合わせっすね」

「や、やっぱりそうだよね……」

「そこで、今夜のお供はフランクフルトとアメリカンドッグなんてどうっすか?」

「これもおつまみじゃないのか……?」

「いや、あはは。実はあたしがミスって多く仕込んじゃって……。もし廃棄が出たら店長からブーブー言われるんすよねー。どうか、あたしを助けると思ってお願いします!」

「ははっ。いいよ別に」

「ありがとうございまっす!」


 救われた表情で、肉まんやらフライドポテトやら様々なホットスナックが入ったショーケースを開ける高畑さん。

 うん。交互に見ると、やっぱり彼女のおっぱいは一緒に並んでいてもおかしくないほど肉まんだ。


(……ん?)


 こうして、初めての会話らしい会話を楽しみつつ会計を済ませ、いざレジ袋に詰められた商品を手にしようとしたそのとき――。


(あれ? こんなのあったっけ?)


 ホットスナックのショーケースの手前にある小さな机……。

 前はここに雑貨の値引き品やお菓子の見切り品の特設コーナーがあったはずだけど、今はくじ引きで見るような大きな箱が置かれている。


「これなに?」

「それっすか? えち番くじの箱です」

「えち番くじ……?」

「知りませんか。一部系列のコンビニで今週から発売しているえっちなくじのことっすよ」

「えっちな!?」


 聞き間違いか?

 それとも印字ミス……でもなさそうだ。確かに箱の側面には、えち番くじと書かれている。


「ハズレなしの一回、七百五十円。A賞、B賞、C賞、D賞、E賞、F賞、G賞、H賞、I賞のどれかが必ず当たって、最後に残ったひとつを引くとラストワン賞って仕組みっす」

「へぇ……」


 俺はこのとき、どうせキャラクターもののエロいグッズやフィギュアが当たる程度のものだとタカをくくっていた。

 だからつい気のない返事をしてしまったのだが――高畑さんも同時にため息をつく。


「実はまだ誰も買ってくれるお客さんがいなくて……」

「売れ残るとまた店長からブーブー言われるの?」

「正解っす」

「じゃあ、試しに一回買おう」

「マジっすか! お兄さん、太っ腹ですね!」

「まだギリギリメタボではないけどね」

「そっちの意味じゃないっすよー♪ では、好きな購入券を選んでくださいっす」

「ずいぶん枚数があるんだな」

「全部で四十枚っすよ。普通のくじ引きみたいに、枚数の少ないA賞に近づくにつれ豪華な景品になるっす」

「なるほど……」


 つまり、末端にいくにつれ景品もしょぼくなり、引く確率も上がるってわけか。

 まぁ、くじ引きなんてそんなものだろう。とは言え、お祭りのくじみたいに初めから当たりが入っているのか分からないグレーな商売よりははるかに良心的だ。


「……」


 そんなこんなで手にした一枚のくじ。めくると案の定、末端にほぼ近いG賞だった。


「G賞は何を貰えるの?」

「パイ揉みですね」

「それ、何てお菓子?」

「あははっ。何言ってるんです。これに決まってるじゃないっすかー」

「……なっ!?」


 笑顔で、そしてノリノリで。

 コンビニ制服のファスナーに指をかけた高畑さんは、何の迷いもなく下へと下ろす――。


 すると、どういうことになるかは想像に難くない。


 ぷるんっ! ほよんっ! ばるんばるんっ♥


 そう、飛び出すのだ。あの肉まんのようなロケットおっぱいが勢いよく前へ!


(ま、マジかよ! 高畑さんの生おっぱいが目の前で上下に弾んで……んん?)


 待てよ。俺、今なんて言った?

 あまりの衝撃で一瞬思考停止に陥ってしまったが、今一度自分が口にした言葉を思い返してみる。


(生おっぱいが上下に。生おっぱい。生(ナマ)……って、エッッッッ!?)


 なんと、コンビニ制服の下に隠されていたのは、だったのだ!


「た、高畑さん。いったい何をやってるんだ。店の中だぞ!」


 どうやら俺は仕事の疲れもあってか、ギリギリ理性を保てていたようだ。

 即座に制止しようと動くが、それよりも先に彼女はレジカウンターに座り、露出したムチムチたわわな生おっぱいをさらに俺の面前へと近づける。


(でっっっっか!!)


 って、そうじゃない。

 ここは大人である俺がしっかり諭さねば。


「でも、これもえち番くじを購入して頂いたお客さんへの仕事なんすよねー」

「仕事……。そうか、仕事ならしょうがないか……」


 はい。逆にこっちが一瞬で諭されてしまいました。

 最早、接客態度ガーとか、行儀ガーとか、監視カメラガーとか、常識的なことを言ってる場合じゃねぇ。


「さ、G賞の景品、パイ揉みをお受け取りくださいっす」


 ここは流れに……成り行きに身を任せてしまった方が得策。

 据え膳食わぬは男の恥と言うし、目の前に揉んで欲しそうに揺れているおっぱいがあるなら、揉まねば男が廃るってもんだ。


「本当にいいのか?」

「ハイ。でも、あんまり強くシちゃダメっすよ? 女の子は優しく扱うもんっすから」

「あ、ああ。じゃあ遠慮なく――」


 もみっ。


「ぁんッ♥」

「お、おお、おほお!」


 これが夢にまで見た高畑さんのおっぱい。生おっぱい!

 ハリと弾力もさることながら、揉めば揉むほど指に吸い付く瑞々しいフレッシュさがたまらなくクセになる、ふわふわでもちもちな感触だ!


「どうっすか? あたしのおっぱい」

「最高だよ! 最高過ぎるよ!」


 しかし、想像通りの触り心地! とはさすがに続けられなかった。


「あはっ。それは良かった。ま、いつも見てたっすもんね。あたしのおっぱい」

「う゛えっ!? そ、そんなことは」

「隠さなくてもいいっすよー。男のヒトの視線って分かりやすいし。ことあるごとにチラチラしてるの、バレバレっすから」

「マジ!?」

「ええ。それに高畑って言うあたしの苗字を知ってるってことは、胸のネームプレートもこっそりガン見してるって証拠っすよ」

「う゛っ……。ご、ごめん。嫌な思いさせちゃって」

「謝る必要ないっすよ慣れっこですし。ま、あたしとしてはむしろ、お兄さんに見られるのは心地よいと言うか――」

「え? なんて?」

「何でもないっす。さ、くじの景品としてあたしのおっぱい、存分に楽しんでくださいねー♪」


 楽しむ――か。


 俺以外の客がいない真夜中のコンビニで、店員のおっぱいを揉んで楽しむと言う非日常感。

 とは言え、いつどこで誰がやってくるか分からないスリリングな状況も相まって、つい手に力が入ってしまうのも必然だ。


 ぎゅむッ!


「きゃぅ゛んッッ!?」

「あ、ご、ごめん! 痛かった?」

「少し、だけ……。やっぱ、男のヒトって力強いっすね。自分の揉むのと全然違うっす……」

「自分でも揉んでるの?」

「ええ。毎日バストアップマッサージは欠かさないっすよー」

「どんな風に?」

「お兄さん、誘導が上手いっすねー。もしかして、女の子の扱い得意っすか?」

「そ、そんなことは――あッ!」


 ぎゅっ。


 あろうことか、高畑さんが俺の手の甲を包み込むようにして自身のおっぱいを揉み始める。


(た、高畑さんの手、温かくて柔らかい……! こんな手で気持ちよくマッサージされたら、そりゃおっぱいだってデカくなるよなぁ……!)


 もみっ、もみっ、ぐにゅぅぅぅぅっ♥


「あはっ♪ こうして二人で揉むと、初めての共同作業っぽいっすね」

「きょ、共同作業って。突然何を言ってるんだ」

「冗談っすよー。ほら、見てください。お兄さんとあたしが力を合わせて揉み込んだら、乳首も俄然盛り上がってきましたっ」


 ぷく……♥ ムクムクッ♥


「ち、乳首が勃起して……なんてエロ過ぎる光景だ!」


 ロケットおっぱい+勃起乳首の破壊力は無限大。

 さらに――。


「ぁっ、ぁっ、ぁあんッ♥ お兄さんっ、お兄さんの手、ゴツゴツしてて気持ちいい……。いつもよりずっと気持ちいいっすよぉ……っ♥」


 揉み込むたびに可愛い声を上げて感じてくれる高畑さんの蕩け顔の破壊力もまた無限大。

 気付けば俺の股間のテントも張りに張り、もはや収まりがつかない状況にまで陥ってしまっていた。


「た、高畑さん……」

「……っ♪」


 それを見透かしてかは分からないが、猫のように口を緩ませた高畑さんは優しく俺の手を取り、おっぱいから離す。


「はぁい。ここで終了っす」

「え!?」

「G賞の景品はあくまでパイ揉みっすからねー」

「そ、そんな。これじゃ生殺しじゃないか!」


 よし。こうなったら続行だ! もう一回購入して、高畑さんのさらなるえっちな秘密を解き明かしてみせるぜ!


「……ええと。申し訳ないんすけどお兄さん」

「ん?」


 財布から千円札を取り出そうとした俺に対し、服装を直した高畑さんはバツが悪そうに言う。


「えち番くじは一日一回限定なんすよねー」

「ほげぇぇぇぇっっっ!!!!!!!!!」

「あはははっ♪ どこから出したんすか、今の声」

「……」

「だからまた明日以降にお待ちしてまっす」

「う、ウソだろ。明日……?」


 明日ってことは二十四時間後だよな。もし明日までに誰かに買われちゃったら……。


 ゾッとしない考えだった。

 だって、下位賞のG賞がパイ揉みなら、上位賞はさらに豪華淫乱な――。


「ち、ちなみに、各賞の詳細は教えてもらえるの?」

「当ててからのお楽しみっす」

「クッ……」

「ありがとうございました~ぁ♪ って、お兄さん商品! 買った商品忘れてるっすよー!」


 後ろ髪を引かれる思いで退店したその日の夜。

 自宅アパートへ戻るや否や、俺は晩酌するのも忘れただひたすら高畑さんのおっぱいの感触と残り香をオカズに自家発電しまくった。


(すっげぇ濃いのが出やがった……)


 ずっしりと重くなったティッシュを見下ろしながら、俺は改めて痛感する。

 あのコンビニに通う楽しみがまたひとつ増えたのだ、と――。

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