第12話
「そうか…… これからテレビの収録なのか」
時刻は既に午後9時である。
「うん、今スタンバイ待ちの所、いっちゃんは何してるの?」
「練習終わって帰る所だよ」
「そっか、撮影も近いものね。頑張ってね。いっちゃん」
「真凜もあまり無理するなよ。身体気をつけ
て」
「うん。電話じゃなくて会いたいな…… 」
真凜は涙を浮かべている。
矢野はそれを敏感に感じ取っていた。
何故なら声が湿っている。
「俺も会いたいよ。真凜」
「嬉しい…… 本当に?」
「ああ。もちろん」
矢野は力を込めた。
その時、電話の向こうで声が聞こえた。
「ごめんね。いっちゃん。もう行かないと」
「頑張れ、真凜」
「うん」
真凜は電話を切った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます