第2話

東日テレビの玄関前には、西野智の顔写真の団扇を持った女子中高生達が、車の到着を今か今かと待っている。

其処へ一台の車が到着した。

後部座席のドアが開くと、顔立ちのカッコいい少年が降りて来た。

西野智である。

「きゃー!智、素敵!」

「智ー!こっち向いて!」

ファンの女の子達が押し寄せて来て、マネージャーの橋本は、警備員達と共に智を守るように盾になっている。

智はファンサービスに笑顔を見せた。

女の子達から歓声が上がる。

智はマネージャー達に守られて、そのままテレビ局の中へと入って行った。


智は不機嫌だった。

「お前、俺が高校生だって事忘れてるんじゃないか?」

「仕方ないだろう。新しいドラマの主演が決まったんだから。高校生5人の切ないラブストーリー」

橋本清都は励ますように言った。

「顔ぶれも豪華だ。西条和樹、菊池真凜、河島優里亜、佐倉綾音だ」

「ふーん」

智は興味なさ気に言った。

「で?いつ学校に行けるの?」

「5日後までは無理だな」

「全く?1時間も?」

「無理言うなよ」

橋本は困った顔になった。

「その代わり日曜はいっちゃんと山登りさせてやるから」

橋本がそう言うと、智は漸く機嫌を直した。

いっちゃんとは親友の矢野一色の事である。

智は矢野と山登りに行くのが、何よりの楽しみだった。

「お前、俺が高校生だって事忘れてるんじゃないか?」

「仕方ないだろう。新しいドラマの主演が決まったんだから。高校生5人の切ないラブストーリー」

橋本清都は励ますように言った。

「顔ぶれも豪華だ。西条和樹、菊池真凜、河島優里亜、佐倉綾音だ」

「ふーん」

智は興味なさ気に言った。

「で?いつ学校に行けるの?」

「5日後までは無理だな」

「全く?1時間も?」

「無理言うなよ」

橋本は困った顔になった。

「その代わり日曜はいっちゃんと山登りさせてやるから」

橋本がそう言うと、智は漸く機嫌を直した。

いっちゃんとは親友の矢野一色の事である。

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