第19話

ドラマは好評のうちに、クランクアップを迎えた。

絵里香はその頃、日々強くなる伊庭への愛をカクテルで抑え込んでいた。

絵里香の元に、伊庭と恭子の結婚式の招待状が届いていた。

ちゃんと祝福しないとね……

絵里香は、都内の静かなバーにいた。


その日も伊庭は恭子とデートしていた。もう結婚式の日取りも決まっている。今日はウェディングドレスを見に行っていた。

ウェディングドレスに身を包んだ恭子はとても美しかった。

伊庭は幸せの中にすっぽり包まれていた。

伊庭と恭子は南青山のレストランで食事をしていた。

もう新居も決まっている。

結婚式の準備は着々と進んでいた。

伊庭のケータイが鳴った。

絵里香の行きつけのバーのマスターからであ

る。

「絵里香が?分かりました。迎えに行きます」

伊庭はケータイを切った。

「恭子、ゴメン。なんか絵里香が酔い潰れたらしい。彼女を送って来る」

「マネージャーも大変ね」

伊庭は席を立った。

「もう遅いからタクシーで帰るんだよ」

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