第14話

心結は母親に習ってポテトグラタンを作っていた。

小説家、岸田、長谷部と食べた後、今は暖希のを焼いている。

今日は日曜日。

暖希は午後からの劇団の稽古に行く事になっている。

その前に昼食を済ませる。

出来立て熱々のグラタンを食べながら満足そうに頷く。

「如何?」

「美味しいよ」

暖希はつい笑顔になる。

「大好きなんだ。ポテトグラタン」

「そうなんだ…… 」


暖希が劇団へ行き、心結はグラタン皿を洗い始めた。

良かった。喜んでくれて。

またいつの間にか暖希の事を考えている事に心結は気付いていなかった。

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