りゅうりゅうりゅうアドベントカレンダー2024
藤泉都理
12/1 招待状
「ぬうううううう」
「どうしたんすかあ?腹が減ったんすかあ?」
『
いつもならば、さっさと起きろやるべき事は山ほどあるだろうと叱りつけるところであったが、今はそれどころではなかった。
「『
「え~~~。俺もっすかあ?いいっすよお。俺は留守番してるんでえ」
「貴様も招待されているのだ。そういうわけにはいかん。そもそも貴様は我の世話係であろう。招待されておらずとも共に来るべきなのだ」
「あ~あ~。何で俺は世話係に選ばれたんだろう、なあ」
「嘆きたいのは我の方だ。貴様の怠惰な性根を叩きなおしてくれと頼まれたのだぞ」
「あっはっは。まだまだ叩きなおされていませんけどねえ」
「ああ。そうだな。まったくその通り」
翠は首を傾げた。
いつもならそろそろ堪忍袋が切れて声を荒げているだろうに、野良はよほど招待状に気を取られているらしい。
「ぬうううううう。クリスマスパーティーに招待されたのならば、何か『和干菓子国』の名物料理、名物菓子、名物酒、名物土産を持って行かなければ。ぬうううううう」
「そんなに考える事ですかあ?新聞を取り寄せれば、一位の名物料理も名物菓子も名物酒も名物土産も分かるじゃないっすかあ」
「莫迦者。我はこの国を守護する龍ぞ。新聞なんぞ取り寄せずとも一位の品物名は分かっておる」
「だったら何でそんなに悩むんですかあ?」
「翠」
「え。嫌です」
「町に下りる。用意はしなくていい。問答無用で連れて行く」
「………はい」
野良に問答無用で背中に乗せられた翠は、この時ばかりは力を入れて振り落とされないようにしがみついたのであった。
(どこの高さから落ちても死にはしないけど痛いんだよなあ~~~)
(2024.12.1)
りゅうりゅうりゅうアドベントカレンダー2024 藤泉都理 @fujitori
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。りゅうりゅうりゅうアドベントカレンダー2024の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
同じコレクションの次の小説
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます