第10話

「なぁなぁ先週の話聞いたかよ?」


「何の話?」


「西区にSTG(スタッグ)が現れたらしいぜ」


「……ス………スタッグ?」


「オマエ知らねーの?」


「芸能人か何か?」


「んなワケねーだろ!!!」





「何の話してるんです?」


「おぉ~維月!先週の話なんだけどさーーーーーーーー…」


「ーーーーーーーー…STGの話?はい、知ってますよ」


「ほらな、維月でも知ってるだろ」


「維月でもってーーーーーーーーあれだけ騒いでたら、誰でも知ってるでしょ?」


「……でもさ、そのSTGだっけ?それって一体何なんだよ?」


「……何だってーーーーーー?」






「………STGはーーーーーーーー


society treat groupの略です


訳したら世直し団って意味らしいですよ


先週は『死羅遊里(シラユリ)』って西区で有名な不良グループを壊滅寸前までしたらしいですよ」


「ちょ、ちょっと待てよ、死羅遊里ってあの死羅遊里だろ?」


「そうみたいですね」


「「……………」」


「……ま、マジかよ」


「ーーーーーーってお前は何でそんなこと知ってんだよ!?」


「もしかして、STGに知り合いでもいんのかよ?」


「いや、いないですよ、噂で聞いたんですよ」


「ホントかよ!そんなの聞いたことねーよ」


「そりゃそうでしょ」


「……怪しい、スゲ~気になるーーーーーーーー」


「はいはい、わかりましたから、ちょっと購買部に行ってきます」


「そっか」

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