第32話

ミラの行動にディノとロウは驚いたーーーーーーーーーー…




それ以上にリクはショックを受けていた。




「……どうして?」


ショックの中、リクの口から出た言葉ーーーーーーーーーー…




「……何で……喋っちゃったんだ……どうして……僕のせいで……ミラが……ただの人形にーーーーーーーーーー…」


リクは泣き崩れる。






「……良いの別に……私はリクを助けられたら……それで良かったの……」


ミラは泣き崩れたリクの頭を抱きしめる。




「それにね……私が人間になりたかったのは……8年前の火事で失ってしまったリクの笑顔を……取り戻したかったからーーーーーーーーーー…だから、顔を上げて頂戴」






「…ウッ……ウッ……ミラ…」




「……リク……もう泣かないでーーーーーーーーーー…短い時間だったけど……リクと話せて良かったわ……それにね……もう一つ伝えたい事があるのーーーーーーーーーー…」




「…伝えたい…事…?」




「……人形達は……リクの事……心から信頼してるわ……私も……リクが大好きよーーーーーーーーーー…」


ミラはリクの頬に優しい口づけをした。








シューーーーーーーーーー…


ミラはスカートを回転させる。




「行くわよーーーーーーーーーー…絶対に離さないでね」




「うん……」


リクはミラの足に掴まる。







「……大丈夫よ、リク」




「ミラーーーーーーーーーー…」




「リクが笑顔でいてくれたら………私も笑顔でいられるわ」


ミラは微笑むーーーーーーーーーー…











「……じゃあ……僕は……毎日……キミの髪の手入れをしないといけないね…」


リクは笑って言うが目から涙が溢れるーーーーーーーーーー…






「…………」






でも…ミラは…もう………

















『こんなキレイな髪をした人形見た事ないよ』


この一言に全てが詰まっているーーーーーーーーーー…
















大丈夫ーーーーーーーーーー…




ただの人形になっても……




きっとーーーーーーーーーー…




私とアナタの………











『絆』という糸は………








切れはしないから……!!!



















ミラから一つの滴が溢れる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る