第9話

眞仲がカレーを食べていると


「うわぁ!俺めっちゃタマネギ嫌いなんだけど。眞仲食べれる?」


田村が顔をしかめていた。


「・・・うん」


「じゃあ食べてくんない」


そう言って田村は眞仲の皿にタマネギを移すとグループの中の他の生徒も眞仲の皿にニンジンやジャガイモ等を移し始めた。


移し終えた眞仲の皿はハンパじゃない量になっていた。


「スゲーじゃん。眞仲の皿、めっちゃ具だくさんじゃん」


皿を見てグループ内で笑いがおきる。


「こ・・・こんな食べられへんて」


眞仲は困った顔で言うと


「えー良いじゃん。頼むって」


グループの人達に言われて眞仲はしょうがなく食べる事にした。




僕って嫌われてんのかな?




そう思いながら、眞仲は何とか大量のカレーを食べきった。


夕食が済んで、グループ毎に担当の四人が食器洗いをする。


眞仲のグループは八人だからジャンケンで決めることになり、結果、眞仲を含めた四人に決まった。


ガシガシ・・・ジャー・・・キュッキュッ


「あーだっりーなぁ!食器洗いなんて」


「ジャンケンで決めなきゃ良かったよ」


炊事場で洗い物をしながら負けた楠葉、真田、浅倉がグチっている。


眞仲がずっと鍋を洗っていると楠葉がトイレに行くと言って炊事場から出ていった。


ガシガシ・・・ジャー・・・キュッキュッ


その数分後、隣で洗い物をしていた真田が頭痛がするから医務室に行くと言って出ていった。


ガシガシ・・・ジャー・・・キュッキュッ


出ていった二人が帰ってこないまま、洗い物をしていると、眞仲の手にとった洗剤が空だと気付いて洗剤を借りようと浅倉に声をかけると


「・・・・・・・」


洗剤をとるどころか反応すらない。


「・・・あっ、もう僕が全部やるで」


眞仲は焦って言うと


「・・・・・サンキュ」


そう言って眞仲を除いたクラスの洗い物担当の生徒は全員炊事場からいなくなった。


ガシガシ・・・ジャー・・・キュッキュッ



ガラガラ・・・ガラガラ・・・ガラガラ


「わっ!まだ終わってないの?」


「す・・・すいません、あと少しなんで・・・」


「悪いけど、あとで持ってきてよ」


「は・・・はい」


ガシガシ・・・ジャー・・・キュッキュッ


「あのっ!ど・・・どこに持っていけば・・・」


さっきの生徒に廊下に出て聞こうとするが誰もいない。




・・・・・僕はハブなんや


コレからずっと続いたらドナイしよ・・・・・




眞仲は洗い場に戻り、洗い物の続きを始めた。

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