人害

@matchadesu

第1話

あの日の記憶

 小さな公園に、10歳ぐらいの男の子と女の子がいる。その子供たちは、木の上で蹲っている子猫を助けようと奮闘していた。女の子が「私が木を登るから下で子猫、が落ちても大丈夫な様に準備しててね」と木にしがみ付きながら言った。男の子は、うんうんと強く頷いて上を見らがら両手を、広げた。するとドスンドスンという音が、聞こえた。その音にびっくりした子猫は飛び降りた。男の子はそれをキャッチした。女の子がすぐ降りてきて「何今の音?」と動揺していた。そして、すぐに大きいものがたくさんこっちに向かっているのが見えてきた。憎零害だということを確認した2人は、パニックになりつつ逃げた。「何であんなに憎零害がたくさんいるの」と声を、荒げながら言った。男の子も首を、傾げてわからないと、言わんばかりに目で訴えた。しばらく走っていると前に大きいものがあった。「何でここにも憎零害があるの」と目を、見開いて言った。男の子は辺りを、回したが逃げれるところがなかった。そして前にいた憎零害はこちらに、向かって走り始めた。女の子はパニックになり前に走り始めてしまった。男の子は、立ったまま放心状態になってしまった。前でドカンとコンクリートに、勢いよく当たる音がした。目をやると女の子が穴の空いたコンクリートの、下で横たわっていた。その近くには憎零害がいて女の子の、方へ近づいていた。数秒の出来事だった。女の子は憎零害に、食べられてしまった。その光景を目にした男の子は、絶望と悲しみに自身の体を蝕まれて動けなかった。ドスドスと、どんどん憎零害が近づいていた。自分も死ぬんだと思っていた男の子は、目を瞑ったが心と体にある異変を感じた。それは体が、軽くなり希望に満ちていた。さらに憤怒していることにも気づいた。その憤怒の気持ちを足に乗せ、憎零害に歩み始めた。そして拳をギュッと、丸めてふざけるなという気持ちを腕に込めて憎零害に、勢い良く拳をぶつけた。するとバゴーンと音と共に憎零害の体に穴が空いた。それと共に男の子は、気絶する様に倒れ込んでしまった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

人害 @matchadesu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ