8 夏休み


 末次に話を聞いてもらうことでスッキリした。なにかアドバイスをするわけでもなく、ただ静かに話を聞いてくれた。別にアドバイスも、否定も肯定もしてほしかったわけじゃない。だから話しやすかったのかもしれない。ただ、ただ静かに聞いてくれた。うん。やさしいねぇ。




§



「おはよ〜!」

「ここちゃん、おはよ」


(今は真夏、後3日で夏休み。という設定)


「歌織は夏休みどこか行くの?」

「あたし?あたしは家が好きぃ。ここちゃんは?」


「うーん、私はおばあちゃんち行って、いとこと夏祭りかな〜。浴衣新しいの買ったんだよね〜!従姉妹と髪の毛いじり合いしてひいおばあちゃんのとこの夏祭り!花火もあるよ〜田舎だからそんなすごくないけど」


「夏祭りか〜いいな〜でも暑いの嫌だな」

「写真送るよ!」

「やった〜!」




おばあちゃんの家は長崎。

お墓参りも兼ねてみんなで花火を買って集まることになっている。


地域にもよるだろうけど、長崎ではお墓で花火をする。

これ、なにかのクイズ番組でも取り上げられてたなぁ。


去年は爆竹上げてるところもあったなぁ。花火代お小遣いいくら貰えるかな〜ワクワク


従姉妹もみんな長崎。父方も母方も。


父方の従兄弟は1人

母方の従兄弟は9人


母方の従兄弟のほうが年も近いし、仲が良い。父方の方は5歳だったか4歳だったか、もうすぐ小学校って言ってた気がする。





§






 長崎に着くとまずはやっぱり父方のお墓参り。終わったらちょっと、1時間くらいかけて寄り道してじゃがちゃんを食べる。


さくさくほろほろあつあつ。幸せが詰まったじゃがちゃん。


 長崎によった時は、絶対かならず食べるべきだよね。


じゃがちゃんを食べ終わっていざ出発。


次は1時間30分くらい掛けて母方のおばあちゃんちにいく。


大通りに出たら、坂を登って、また坂を登って、またまた登って、曲がって、坂を登って、曲がる、そうすれば着いた。


「ただいま〜」

「おかえり〜」


「優じゃん!おひさ!!!」

「心愛、縮んだ?」

「おだまり4年生。先輩には敬意を払いなさい」


「うす。心愛。」

「うげ。奏また伸びた?何センチ?」

「168〜」


だるい。なんでみんな背高いのに私は低いんだろ。まだ成長期じゃないだけだよね?



「莉緒ちゃんだ!部活乙〜。ちなみに身長何センチ?」

「168よ。奏といっしょ。私のほうがお姉様のはずなのにな〜」

「奏はオスだから____。」

「心愛は?」

「シャラップよ。シャラップ。」

「145か____。変わらずだね。」

「148だし!!!平均身長だし!!!!」


「盛るな心愛!」

「黙れ奏!!!!盛ってないわ!!!!!平均身長だし!!!!」

「平均身長強調するなよ___見苦しいぞ____」


4月の学校で測ったやつでは147だったもん!!!伸びてるはずだもん!




§




「心愛おはよう。」

「ばあちゃんおはよ〜。あれ、まだみんな起きてなかと?」

「散歩行ってきてくれん?美玖たちの」


たち、犬4匹飼ってるんだよね。莉緒ちゃんのとこの犬なんだけど、みんなの犬みたいな?感じ。たまーにしか会わないけど人懐っこい性格だから私にも懐いてくれる。


「え〜道わからんばい?」

「奏起こせばいいやろ。寝たフリだから乗れば起きるよ。40なかろ?心愛は」

「なかよ。36くらい?計ってないからわからんばい?」




「ういっしょ____奏。散歩行くけん、起きて。5秒で起きないと踏むよ」

「カス。心愛軽すぎだろ。」


「とりあえず着替えるわ。」

「私も着替えてない。」

「着替えてから起こせよ」

「去年寝起き悪かったからさ?」


白Tに短ジーパンを着て奏の寝てた部屋に入る。


「入るよ〜」

「入ってから言うなよ____」


「うるさいな〜着替え終わってんだからいいじゃん。いくよ。」




§




「奏〜リードどこ?」

「そのバックの中」

「おーあった!」



道は、下の公園の方に行って、ぐるーって回って上の公園に行って、またぐるーって回って戻って来る。




§




「疲れた_______。」

「兄ちゃん「心愛おかえり〜」」


「お!おきてる!おはよ〜!」

「美玖〜〜〜〜!」



「そういえば,未実ちゃんは?」

「姉ちゃんバイト〜」

「莉緒ちゃんはいつから学校?ていうか部活?」

「私2週間後から部活再開。」

「頑張れ〜」


家庭順に言うと、


竜兄はサッカー。未実ちゃんはバスケ。莉緒ちゃんもバスケ。


奏は野球。優はバスケ。優の弟、雛輝ひなきはサッカー。


彩希は無所属。悠斗は無所属。美宇も無所属。




なーんかみんな運動部だよね。


朝ご飯はばあちゃんが作った卵焼きとか諸々。

美味しいんだよね。母の味ならぬばあちゃんの味?



「ばあちゃんいつ行くん?」

「茉莉んとこが来てからいくけん。」



「じゃあ心愛攫っていくわ」

「は?」

「ういっ」


グローブ投げてきた。ほう。そういうことか。


「下?上?」

「上」

「らしいけん行ってくる。」




「奏〜そんな坂道ダッシュせんでよかって」


「先行っといて。」

「むり」

「かす。」


なんかいろんな家の呼び鈴押して話してる。


ざっと6個くらい?




「よし、行くぞ」






______________________________________




きりが良いところまで書いたら長くなったかもしれないですね。

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