NG〜 ネット住人

稲荷 和風

第1話 遭遇

皆さんは「検索してはいけない言葉」というワードを覚えていますか?


昔は色々なクリエイター達が話題にしたりしていましたが、今は…




ジェフザキラーという連続殺人鬼が廃ビルから何者かに追われ逃げている。


ジェフの手にはアタッシュケースケースが…

ジェフを追う何者かの背中にはGoogle policeの文字が確認できる。


policeたちはジェフを必死に追いかけるがジェフが廃ビルの裏口から脱出を果たし、結果的にpoliceたちはジェフを逃してしまった。


ジェフは盗んだアタッシュケースを隠れ家で開けてみたが、中に入っていたのは目当てのものではなく、ジェフのように肌が不自然に白く、黒髪が特徴的な小さな女の子が入っていた。


これにはジェフも戸惑いを見せた。

アタッシュケースから少女を出して見たが、どうにも人間とは言えぬものだった。


黒髪に入っている蛍光色のメッシュのような模様、奇妙に変形した左手に焼けこげた両足。


ジェフは奇妙に思いながらもその少女を始末することにした。


「go to sleep…」


そう呟きナイフを少女の心臓部分めがけ振り下ろすジェフ、だが止める者は誰もおらずナイフが少女の心臓に深々と刺さってしまった。


しかし少女が死ぬことはなく、静かに寝息を立てていた。


ジェフがナイフを引き抜いた瞬間、少女の瞼がゆっくりと開き、目玉をギョロギョロと気味悪く動かしたのち、ジェフを見つめた。


ジェフは驚きながらも顔には笑顔を浮かべて少女を仕留めようとナイフを構えた。


少女はゆっくり立ち上がろうとするも両足が焼け焦げ、足の部分がないので立ち上がることができず、何度も転倒をしては立ち上がることを、ロボットの様に繰り返していた。


ジェフはその様子に戸惑いを見せ、何度も仕留めようとナイフを何度も刺したが、少女は血液は流すものの、痛がる素振りも見せず、ただジェフに仕返しをするためか立つのを諦め床を張っている。


ジェフは意味がないと判断したのか、少女に近づき、そのまま少女を抱え上げ、ソファに座らせた。


そして、少女に話しかけ始めた。

「お前、どこから紛れ込んだ、名前は?」

しかしジェフの質問に少女は答えることなく、変わりに首を横に降った。


ジェフはナイフをいじりながら少女をどうしよう

か考えていた。


殺すこともできない、かと言って逃しても自身の事を誰かに喋るのかと逃すこともできない。


ジェフは悩んだ末、不満げに少女に手錠をつけ、鎖を繋いだが、少女は特に抵抗することもなく、ただ遠くを見つめていた。


「いいか?お前はここにいろ、手錠をはずそうなんてしたらお前を生首にしてやるからな。」

そうジェフは少女に脅しをかけ、何処かへ行ってしまった。


ジェフは少女のことを甘く見ていたが、大きな間違いだった。


少女は手錠を外そうともせず、ただソファに座り、遠くを見つめている。


やがて一匹の熊が隠れ家に入って来るも、少女は動じることはなかった。


熊は少女を獲物にしたのか、鋭い爪を少女めがけて振り下ろす姿勢をとっていた。


少女が今にも死んでしまいそうな瞬間、クマの頭が吹っ飛び胴体は動きを止めた。


隠れ家に溢れる熊の血液に少女は嫌悪感を示していた。


仕事から帰ったジェフが見た光景は、熊の首なし死体と熊の生首をもち、返り血を浴びた少女の姿だった。


ジェフはその惨状を一目見ただけで理解した。


《この惨状は少女がやったもの。》

だと。


そしてジェフはこの時少女を自分と同じ殺人鬼にする事を決めた。

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