　イラクサと時尭が戦国時代で生き抜く中、村を守るための試練は続いていた。しかし、戦の渦中で二人が気づいたのは、この時代にも未知の危険が潜んでいることだった。ある日、村外れで見つけた奇妙な植物群が彼らの前に立ちふさがる。それらは、ただの草ではなく、強力な毒性を持つ「毒草」だった。

　リトープスは、その見た目が岩に似ていることから「生きた石」とも呼ばれ、砂漠地帯に自生する植物だ。戦国時代では、毒草として知られていた。村人たちは、これらの植物が誤って食べられることを恐れていたが、毒の効果は直接的ではなく、間接的に神経を麻痺させる性質があった。イラクサは、リトープスの姿を見て、どこかで見覚えがあることに気づき、昔聞いた伝説を思い出す。

　ヒドノラアフリカーナ

　地下に自生するヒドノラアフリカーナは、アフリカの乾燥地帯に生息する奇妙な植物で、特に毒の強さで恐れられていた。この植物は地下で根を張り、地面から突き出た部分が花のように見えるが、その花は強い神経毒を含んでおり、近づくだけで強い幻覚や記憶喪失を引き起こす。時尭とイラクサが進んでいた森の中に、偶然この花が生えているのを見つけた。幸いにも、彼らはその危険を察知して近寄らなかったが、この植物がもたらす恐ろしい影響を感じ取ることができた。

　ホウガンノキ

　ホウガンノキは、特にその葉から強い神経毒を分泌することで有名な植物だ。この時代では、その効能を知らずに使用されることがあったため、意図せず飲み込んだ場合、命に関わるほどの影響を与えることがあった。村では、過去に何度か誤ってこの木の葉が使われ、村人たちが突然意識を失った事件があったため、危険視されていた。イラクサと時尭は、村の薬草として使われていたものが、実はこのホウガンノキの葉だったことを知り、その危険性に身震いした。

　リザンネラガルドネリ

　リザンネラガルドネリは、熱帯地域に分布する花の美しい植物だが、その花に含まれる毒素は非常に強力で、触れるだけで皮膚の腐食を引き起こす。時尭とイラクサが村の近くの森で探索しているとき、彼らはこの美しい花を見つけた。しかし、花をじっと見つめていると、突然視界がぼやけ、頭がくらくらし始めた。彼らは急いでその場を離れるが、その後、村の他の場所でこの植物が無意識のうちに栽培されていたことが判明する。

　毒草との戦い

　村で発生した毒草による被害を解決するために、イラクサと時尭は協力して薬草の知識を駆使し、対策を講じる。時尭は戦術を立て、リトープスやヒドノラアフリカーナなどの植物を特定し、村人たちにそれらの植物に触れないよう警告を発する。イラクサは、ホウガンノキやリザンネラガルドネリに対する対処法を考え、村人たちに有効な解毒方法を伝える。

　村の人々は二人に感謝し、その指導の下で毒草に関する知識を得て、再び平穏な生活を取り戻すことができる。しかし、この出来事を通じて、イラクサと時尭は自然の力を侮ってはいけないこと、そしてどんな小さな選択でも命を左右することを改めて実感する。

　二人の絆が再び深まる中、戦国時代での生活が続く中で、彼らは次第に元の時代に戻る方法を探し続ける。しかし、時間が経つにつれて、彼らの心には戦国時代での生活が深く刻まれ、どちらの世界が本当に自分たちにとっての「帰るべき場所」なのか、迷いが生じ始める。

　物語は、時尭とイラクサがどのようにして自身の未来を選択していくのか、そしてどの世界に帰るべきかを探る「選択の物語」として続いていく。