第94話 面白い奴とは友達になろう!

 ラドンが咆哮を上げ、フリーダムがその背に立つ。


 その手には巨大な槍が握られ、威圧的な視線が私を射抜いていた。自由同盟のメンバーたちは周囲に散らばり、この決闘を固唾を飲んで見守っている。


「ラドン様と俺が相手だ。これで勝てると思ったら大間違いだぜ!」


 フリーダムが笑いながら槍を振り上げた。その姿には自信と誇りが滲んでいる。


「うん、いいね。やっぱり竜騎士ってかっこいいや。ファンタジーって感じがして楽しいね。やっぱりこういうのってワクワクするんだよね。さて、どちらにも挨拶をさせてもらうよ」


 私は静かにその辺で拾ってきた木の棒を構え、ラドンの動きを見据えた。


 ラドンが太い足で地面を蹴って、戦車が向かってくるような迫力が迫ってくる。その巨体が影を作り出し、私たちの周囲を覆い隠すような錯覚を与える。


「ラドン! やっちまえ!」


 フリーダムの指示で、ラドンがその鋭い爪を振り下ろしてきた。一撃が地面を揺るがし、砂煙が立ち上る。


「ふむ、迫力があるね。でも、君たちのリズムは単調すぎるよ」


 私は軽やかに動き、爪の一撃をかわす。その間に木の棒を振り、ラドンの前足に軽い傷をつけた。


「ぐおおおおお!」


 ラドンが痛みを訴えるように叫び、その隙を見逃さず、私は一気に距離を詰める。


「フリーダム、君もそろそろ動くべきじゃないかな?」


 私は微笑みながら彼に声をかける。


「クソっ!? ラドン様の動きを余裕で躱しやがって! 調子に乗るなよ!! ラドン様の動きに俺の攻撃が加わることで俺たちは完成するんだ!」


 フリーダムがラドンの背から飛び降り、地面に着地する。槍を構え、私に向かって突撃してきた。


 その槍を躱していると、ラドンが背後から巨大な尻尾を振って攻撃を仕掛けてきた。


「力で証明するってのはこういうことだろうが!」


 フリーダムが槍を振り回し、猛然と襲いかかる。その動きに合わせてラドンが荒々しく尻尾や爪を振るう。


 それら一撃一撃が重い。人とドラゴンが共闘して戦っている姿は素晴らしいね。


 私は彼の攻撃を受け流しながら、冷静に隙を探る。槍の動きは豪快だが、その分無駄も多い。その無駄をラドンが防御を無視して突っ込んでくる。


「なるほど、君たちの連携は素晴らしいね。でも、連携だけじゃ僕には届かないよ」


 私は木の棒で彼の槍を弾いて、その勢いを利用して体勢を崩した。


「なっ……くそっ!」


 バランスを崩したフリーダムが地面に膝をつく。ラドンが助けにくるが、僕は無属性で巨大な穴を作ってラドンの動きを封じる。


 そして、フリーダムの喉元に木の棒を向けた。


「これで終わりだ。君の強さは十分伝わったよ」


 私は微笑みながら木の棒を引き、彼に手を差し出した。


 フリーダムはしばらく地面に座り込んだまま私を見上げていたが、やがて苦笑を浮かべながら手を取った。


「……へっ、やるじゃねぇか。てめぇみたいな貴族に負けるなんて思ってもみなかったがよ」


 彼は立ち上がり、肩をすくめる。


「ありがとう、フリーダム。君の力を認めて仲間に迎えたい。これからは一緒に戦おう」


 私は彼に手を差し出し、固く握手を交わした。


 周囲の自由同盟のメンバーたちは一瞬の静寂の後、歓声を上げた。


「おいおい、マジかよ!」

「俺らが貴族と一緒にやることになるなんてな!」


 フリーダムは周囲を見回し、威勢よく叫んだ。


「おい、聞けよ! 俺たちはフライの兄貴の傘下に入る! だけどな、俺たちの流儀は変わらねぇ。暴れたくなったら暴れるぜ!」


 その言葉に、不良たちのざわめきが笑いへと変わった。


「それでいいんだよな?」

「もちろんだよ。君たちを縛るわけじゃない。これはあくまで同盟だからね。君たちがピンチの時には助けに行くよ」

「へっ、仲間ってことだろ。俺たち自由同盟は、確かに好き勝手しているけどよ! 仲間は裏切らねぇ! これからよろしくな! フライの兄貴に俺たちの命預けるぜ」


 うん。同盟というよりも舎弟っていう言葉が似合うけど、面白いからなんでもありだよね。


「さぁ、ドンドン行こうか!」


 私は地図を広げ、次の一手を考え始めた。


 自由同盟を仲間に加えたことで、私たちの勢力はさらに強化された。この力をどう使うかは、私次第だ。


「フリーダム、君たちの力を信じてるよ。一緒にこのゲームを楽しもう」


 私がそう言うと、彼はニヤリと笑った。


「任せとけ、兄貴!」


 自由同盟との同盟が成立し、私たちは次なる戦いに向けて動き始める。


「ここまで順調なのはありがたいね」

「フライの兄貴、中央のイベントも終了したみたいだぜ」

「結構早かったね。どこが勝ったの?」

「ブライド皇子のところのアイクってやつです」

「ああ、彼か、ブライド皇子は腹心を出したんだ意外だね」

「それだけ、本気ってことじゃねぇんですかい?」


 どうだろうね? だけど、ブライド皇子が本気で勝ちに来ているようだね。


 もう一人の主役であるアイス王子はどうするんだろう?


「一旦、帰ろうか? 僕らは十分に暴れたから、あとは暴れ方を考えよう」

「はい!」


 ジュリアやバクザンの後にドラゴンに乗った自由同盟を引き連れて、ローズガーデンに向かう。


 陣地に意外な来客が待っていた。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 あとがき


 どうも作者のイコです。


 今日はここまで!!

 

 明日から仕事だから投稿頻度も下がってしまうかもしれませんが、一月最後までは毎日投稿を頑張ってしますので! 応援をよろしくお願いします!

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