更生天使マジカルリバイエル~悪役令嬢は私が更生させます!更生請負人ユーコ~

折尾リリ

更生!

 私の名前はユーコ、国王の隠し子の私は、秘密裏に王命を受けた。


「ユーコよ、もはやお主しか頼れるものはおらん、この国に巣食う、アクヤクレイジョーを排除してくれ!」


 アクヤクレイジョーとは一年ほど前からこの国を蝕む、魔物である、その正体は元貴族の令嬢だ。


「このユーコ、更生人にお任せあれ!」

「やってくれるかユーコ! 頼んだぞ、お主こそ、最後の希望だ!」


 そして私は、颯爽とアクヤクレイジョー蔓延る城下へと向かった。




「たのもー!」


 私はある屋敷の門を蹴り飛ばし、堂々と侵入する。


「何だお前は!? ここを侯爵家の屋敷と知っての狼藉か!?」


 そう言うと、屋敷の警備の方が集まってきた。

 

「知ってますよそんな事、私はユーコ! お嬢さんを更生しに来た者だ!」

「なんだこの女は? 話が通じない?」


 私は警備の方たちを無視し、ある言葉を詠唱した、すると私の服が可愛らしい魔法少女のようなフリルの付いた服に変わった。

 

「私は更生天使マジカルリバイエルだ!」


 再び私は名乗る。


「いやさっき、ユーコっていってたでしょ」


 警備の方突っ込む。


「くっ、私の正体に気づくとは、やるわね! アクヤクレイジョー!」

「やはりこいつ、話が通じない! こいつを捕らえるんだ!」


 警備の方々が私を取り囲み、じわじわと迫る。


「仕方ないわね! 更生魔法を食らいなさい! マジカルリハビリテーション!」


 私はそう叫びながら、警備の方々を全員殴り飛ばした。


「ふぅ、更生できたかしら?」

「どこが……魔法……」


 警備の方が何か言っていたが、私には螺旋階段の上に居る人物、アクヤクレイジョーしか、目に入らなかった。


「何? この騒ぎは? そこの痛々しい格好の小娘がやったの?」

「違います!」

「そんなわけないでしょ! どう見てもあなたがやってるでしょ!」

「なら聞くな!」

「この小娘! セバスチャン来なさい、どこにいるの!?」

「セバスチャン、ここに」


 初老の執事さんが、アクヤクレイジョーの影から現れた。

 すごい、私も出来るかな?


「この小娘を捕らえなさい! 断頭台送りですわー!」

「畏まりました」


 アクヤクレイジョーは執事さんに命令すると、執事さんは私に攻撃を仕掛けてきた。


「この魔法を食らいなさい! 執事で羊!」


 執事さんがギャグを飛ばすと、私は急激な眠気に襲われた。

 くっ、寒いギャグで寝たら凍死してしまう!

 私は力を振り絞り更生魔法で自分を更生した。


「この小娘、自分で自分の顔を!?」

「ふっ、私に更生魔法がある限り、負けはない!」


 そう宣言し、執事さんを更生魔法で更生した。


「観念して更生しなさい! アクヤクレイジョー!」

「嫌ですわ! 私は好き勝手に生きて、天寿を全うしますの!」

「天寿を全うしたいのなら、大人しく更生しろ! アクヤクレイジョー!」


 私は、アクヤクレイジョーに更生魔法で殴りかかる。


「何が更生魔法ですの! インチキ魔法が!」


 アクヤクレイジョーはすばしっこく、中々更生できない。


「こうなったら、最後の手段、屋敷を更生する!」

「ま、待ちなさい、それって!?」


 私は最強の更生魔法で屋敷を更生しようとした。


「ま、待ってください、更生しますから、屋敷だけは!」

「うるさい! この屋敷を更生してから、あなたを更生する!」

「話が通じませんの……」


 私は更生魔法で屋敷を更生した。


「さあ、次はアクヤクレイジョーの番だ! 更生しろ!」

「キャー!」


 こうして、一人のアクヤクレイジョーが更生した。

 今日もアクヤクレイジョーを更生させるため、更生天使マジカルリバイエルは更生させ続ける、王国にアクヤクレイジョーが居なくなるその日まで。




「やりすぎじゃ!」

「王様も更生します?」

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