第34話
「あれ、楓お姉様は?」
「見てないです」
涼宮さんが戻ってきてそう聞いてきた。そういえば体験に来て一回もみてないな。忙しいのかな?
「へ、へぇ〜。とりあえず3on3の準備ができたからついてきてくれるかしら」
「はい」
バスケ久しぶりすぎてソワソワするな。
「はいっ、わたくしたちのチームはわたくしと奏音くん、そして世奈さん」
俺のチームだったのは確か同じA組の…市村さんだ市村さん。
「よろしく」
「よろしくね、市村さん」
市村さんってバスケ部志望なんだな、なんか茶道部とか弓道部とかかと。
「じゃあ相手チームも準備できたみたいだし、やってみようか」
そう言われたので位置につく。
ピーッ
最初はこっちチームの攻撃だ。
「世奈ちゃん!」「はいっ!」
なぜか俺にガードする人が2人もいるので俺のもとまで届かない。
「奏音様!」「えっ?!」
今の状況で俺に渡す!?ボールは取れたけど難しいって!
てか様付きで呼ばれなかった?空耳?
涼宮さんに渡すか、普通に入れるのは無理だ。
「涼宮お姉様!」「はい!」
涼宮さんは中3の先輩にガードをされているが、まぁいけるだろう。知らんけど。
ピーッ
「よっし!」
俺が点を入れたわけではないが少し嬉しい。
攻守が変わる。なんかViiSportsのルールまんまかも。
涼宮さんは同じく3年の人をガードしていて市村さんはボールを持っている人をガードいるので余った一人をガードしよう。
「美和ちゃん!」「はい!」
俺がガードしている人にボールがまわる。
くそ、ボール取れなかった。
「先輩!」「おけ!」
むっず〜…
やっぱ俺にはプレイヤーは務まらないな。
「よしっ!」
涼宮さんがボールを奪った。攻守交代である。
ーーーーーーーーーー
そんなこんなで3on3は終わった。
一点も入れられなかったが久々のスポーツで楽しかったのでよしとしよう。
「奏音くん、なかなか上手だったわね」
「そうですか?ありがとうございます」
最初は怖い先輩だと思っていたが優しそうだな。
キーンコーンカーンコーン
「もう部活体験終了時刻ね、また来てくれることを楽しみに待ってるわ」
「はいっ。それではまた」
こうしてバスケ部の部活体験は終わった。
…あれ?姉さんと今日会ったっけ?
「一条くーん!!」
そんなことを考えていたら戸崎先生が走ってきた。
「どうしたんですか?」
「これから先時間ある?」
「全然大丈夫ですよ」
家事もある程度やってるし。
「生徒会執行部室にきて欲しいのだけど…」
「僕がですか?」
なんか呼ばれるようなことしたっけ…
「そう。ちょっとショックを受けるかもしれないけれど…」
え、何々怖いんだけど
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