アンドロイドの人形焼き

トマトも柄

アンドロイドの人形焼き

アンドロイドの人形焼き


 ある小さなお店に一人の子が店番をしています。

 そこの看板には人形焼き販売していますとの看板が貼り出されています。

 子供達がその店に駆け寄り、

「人形焼き下さいな―!」

 元気な声で店員さんに言いながら、握りしめている硬貨を店番の子に渡します。

「はーい! 少し待っててね」

 そう言って店員さんが店の奥へと入っていきます。

 店の奥には鉄板と生地が準備されており、その子は鉄板に生地を入れてどんどん作っていきます。

 子供達が喧嘩にならないように均等に分けて綺麗に皿に盛りつけていきます。

 店員さんが子供達の前に再び姿を現し、子供達に人形焼きを渡していきます。

「よし! じゃあみんなであそこのテーブル席で食べようか。 一緒に食べましょう?」

「うん!」

 店員さんの言葉に子供達は元気良く答えてみんなでテーブル席で食べることになりました。

「ねえねえ!」

「どうしたの?」

「この人形焼きってライオン?」

 子供達は人形焼きの型が気になっている様子でした。

「うん! そうだよ! ライオンの顔だよ。 とってもかわいい感じでしょ?」

「凄いかわいい! じゃあこっちは?」

「これは白衣を着た研修生さんだよ」

「この子達目が隠れてるー!」

「じゃあこれは何か分かるかな?」

 店員さんはほ細長い人形焼きを持って子供達に聞きます。

 子供達は凄い悩んでて何かが分からない様子でした。

「これは試験管だよ。 ほら! よくアニメとかで博士が薬品を混ぜようとして使ってる入れ物」

 店員さんが言うと子供達が、

「物系のも人形焼きってできるの!?」

「もちろんできるよ。 今度欲しいの言ってくれたらできる限りだけど頑張って作るよ」

「やったー! 今度の人形焼きが楽しみー!」

 こうして子供達は店員さんに次に作って欲しい人形焼きの形についての大盛り上がりしています。

 そうしている内に時がどんどん流れていきました。

「あ! もう帰らないと!」

 子供達は時間に気付いて急いで店から離れようとしています。

 そうすると、店員さんが店の前まで送り届けてくれました。

 帰っていく子供達に笑顔で手を振っています。

「また来るねー!」

 子供達は店員さんに手を振って、どんどん見えなくなるまで離れていきました。

 お互いに見えなくなるまで手を振っていました。

 そして、見えなくなってから店員さんは店の中へ戻っていきます。

「さあ! 次も子供達が喜んでくれるようなのを作らないと!」

 そう言って繋ぎ目のある手を見せて、新しい型を作っていきます。

 そう、実はこの店員さんはアンドロイドだったのです。

 意思を持ったアンドロイドは子供達を喜ばせるために新しいお菓子を作っていきます。

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アンドロイドの人形焼き トマトも柄 @lazily

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