青春ロイドの群青な感情

ラビリンスの袋

第1話 恋は爆発

 僕はお世話ロボだ。10年くらい前の新モデルで、それなり古い。

 主人には【ぼろ】って呼ばれてる。

 主人と言っても彼はまだ学生なんだけどね。

 どこにでもいる、普通の15歳の青年さ。


「ぼろ、そろそろ出るよ」


 主人が学校に行く時間、僕は毎日お見送りするんだ。

 でも今日はいつもと違う景色があった。


「あ、ハルト!ぼろくん、おはよう~」


 隣に住んでるメイちゃん、主人と毎日に学校へ向かう。

 そのメイちゃんの後ろに…

 ─ぼかっボボボドド!



 メイちゃんの後ろに、見覚えのないお世話ロボが居た。



「あ、最新の奴じゃんかわいい!」

「そうなのぉ!ママがね、やっと買ってくれたの!いいでしょ~」


 ???「よろしくお願いします。」


 突如として現れたそれに、僕はあまりの可愛さに見惚れてしまった。

 長い髪、そして凛とした表情、モデルのような手足の長さ。

 カッコイイ、それでいて可愛らしさもあるっ…。

 こここ、これは、初めてモナリザの絵を見た時以上だ!!!

 美しい…ずっと見ていられる。

 ─ドドオドッドッ、ドカーン! ケムリモクモク


「どうしたのぼろ?」

「あ、ああ、いやそのまじ良い感じっすね。これからよろしくです」

「ふふふ、ぼろくん、もしかして赤くなってる?」

「そんな、ことはないっす」ハハハ


 僕の新しい毎日が今、始まる。

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