陛下私は無能なんです。だから僕に近寄らないでください

@kaminetu

第1話

「おい無能、お前のせいだぞ」

「すみません、すみません」

 

 とひたすら頭を下げる。立場が弱く、更に実力もダメダメな僕には逆らう力はない。なんてことはない。

 

 力は大切な時に使うもの、他人に披露していっときの快感を得るものではない。何故なら前世で僕は大事な人が多すぎて守れなかったから。

 

 だから僕が大事だと思う人を守るためには、力をアピールして下手に敵を作るべきではないのだ。

 

 無能でいると思う限り僕より弱いことに気づかないのだから。

 

「おい無能、誰のおかげでこの学園に入れているかわかっているのか?」

 

 そう聞かれて俺はすぐに「あなた様のおかげです」と頭を下げた。その態度に喜んでいる。いつまでも下を見ていると上にはたくさんの人物が這い上がっていることに気づいていない様子。

 

「サラディア、いい加減にしなさい。アラーをいじめないでちょうだい」

 

 そう僕を守っててくれるのはミアンナ。幼馴染だ。まぁ僕をいじめているサラディアもだが。

 

「おっと失礼、ミアンナ皇紀様には余りにもよくないものを。まぁ無能アラーのせいではあるのだがな」

「深く反省することね」

 

 ミアンナは別に僕を助けてくれているわけではない。僕に執着しているのだ。なにぶん僕はミアンナを救うために力の一部を見せることになった。

 

「アラー貴方もそろそろ真面目にしたら」

 

 真面目ね、なんで俺は真面目にやらないといけないのだろう。真面目にやらないで、後悔するのは僕だろう。わざと後悔を求めているんだからいいじゃないか。なんて思うね。

 

「席につけ、なんとガーディアン帝国から王子がここに通うことになった」

「アーネルドサンアネハッドだよろしく頼む。と言いたいが貧乏人どもと仲良くするつもりはない。ただ最高峰と呼ばれるこの学園に興味があるだけさ」

 

 いかにも悪っぽい見た目なおかつ、凄まじい魔力と筋肉どれも素晴らしいと言ってもいい。

 

 欠点を挙げるなら、あとは魔力にうぼれない精神力はないみたいだ。勿体無い。

 

「今日は魔力測定を行う。来てくれ」

 

 先生に言われてついていく。

 

「ここでやりたい。いいだろうたかが、教室、魔法撃って楽しむくらいいいだろう」

 

 アーネルドは首を横に振る。勿論先生として威厳はある。

 

「だがしかし」

「ふむ、君の魔法に自信はないのかな」

「何を言う。私ほど優れている防御魔法はない。だがやや守るものが多いだけだ」

「なら机や椅子をワープさせたらいい」

 

 ワープさせる魔法は第七界魔法でとても難しい魔法だ。とても高校生で習うような魔法ではない。40歳になってできる魔法なのだ。それをできる高校生は俺だけだろう。更に先生は第7魔法のワープだけは受かっていない。

 

「こうやって強引にやればいいんだよ。この魔力我に力を与えろディザリックサルス」

 

 魔法詠唱は成功だが、数が多いためこの魔法陣の大きさでは足りない。もっと大きな魔法陣ではないといけない。俺はそのために付け足しで、魔力を見えないようにして魔法陣に放った。

 

 そのおかげで魔法陣は大きくなり全部の椅子と机をわーぷさせた。

 

「マイボックス」

 

 と唱えていつでも呼び出せるものにしたのだが当然魔力不足、そのため再び俺の力を貸して、バーンと放ちかんせいした

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