Scene14 ロゴスは犯人と対峙して、次なる殺人を食い止める
私はさらに思考を推し進める。
ロゴス様は
では、二人ともが偽証していたら?
あの証言は、あからさまに
そしてその代わり、
大喧嘩のくだりは丸々作り話で、実際は
警察は
一方、
そういう心理トリックだった……?
私がそこまで考えたとき、ロゴス様の運転する車はアパートの駐車場に停まった。
「
ロゴス様は車から飛び出していく。
今にも次の殺人が起こりそうだというのに、一人だけ安全な場所にいられるものか!
私は迷わず助手席を降りて、ロゴス様を追いかける。
ロゴス様はそれに気づき、小さく舌を打ったようだった。
そのとき、アパートの上階から女性の甲高い悲鳴が聞こえた。
「やはり、当たっていたか……!」
ロゴス様は外付け階段を駆け上がる。
私もそれに続いた。見ると、一室だけ扉が開きっ放しになっている部屋がある。あそこが
私たちが部屋に飛び込むと――そこでは
「やめろっ!」
ロゴス様が
ナイフが
「離せッ! 離せよッ! 邪魔すんなァ!」
私は恐怖に震えている
「お
ロゴス様は
「
「なんて
「あんた、空っぽなんでしょ? あたしと同じ壊れた空っぽ! あたしの中身は
その瞬間。
ロゴス様の瞳に激しい動揺が走った。
私は慌てて
刺し殺されてでも、
しかし、
「いい?
そう言って、
自らの胸にナイフを突き刺した。
女優は鮮血を噴き出して、映画の
「くっ……。及ばなかったか……」
ロゴス様は
私は足が震えて立っていられなくなり、へなへなと座り込む。
これで事件は終わった――のだろう。
ロゴス様は通話を終えて、
ゆっくりと歩き、座り込んでいる私の横を通り過ぎて、
「
ロゴス様は優しい声で
「は……、はい……。でも、あの……」
彼女は混乱した様子で、横たわる
「彼女は、夫を愛していたんだ。どうしようもなく、純粋に」
ロゴス様は
そして、
「棚本章介さんを殺害した犯人は、貴方ですね。紙谷栞さん」
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