6.「恋の快速運転はどっちにする?」海来 宙さん
タイトル:恋の快速運転はどっちにする?
キャッチコピー:キューピッドの恋のすごろく、あなたは出た目で段落を飛ばす?飛ばさない?
作者:海来 宙さん
URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093089873551531
評価:★3
味のご希望:なし(甘口)
あらすじ:主人公女子が、恋を成就させるすごろくによって行動を決めていくという異色の恋物語。
初めに、当自主企画に参加してくださったことに感謝申し上げます。
ゲームブックのような分岐があるストーリーはおもしろいですね。
ただ、申し訳ないのですが、私はサイコロの目によって進む箇所を変えるというのはせず、全て通して読んでいました。
[講評]
おねショタ度は普通レベルです。
でも、海来さん独特の言い回しがふんだんに使われた文章で、電車に乗って移動するというだけの時間の出来事が詳細に綴られています。
馴れ初めというか出会いが詳しく書かれているのがとても良いですね。
主人公の凜ちゃんの心理状態も手に取るようにわかります。
描写力すごい。
【ここから先ネタバレあります! ご注意を!】
まず、凜ちゃん遅刻確定のところに神様が現れます。
凜ちゃんがなんでだか落ち着いてるのがおもしろい(笑)
テンポよく進んでいくお話の中に、ふと凪くんとの出会いを思い出す凜ちゃんの心の内も上手に描かれていて、読んでいて飽きないです。
凪くんの好きな四宮かぐやのコスプレをしちゃうのも、恋する女の子という感じでかわいくて良いですね!
そして、不穏な乗客?同士のケンカに遭遇することになるのですが、なんと、一人の男を取り合う女性二人の修羅場!
しかも妻帯者の男の取り合い…………と思いきや、勘違いだったというアレw
よかったよかった、不倫している男はこのストーリーにはいなかったんだ……!
ところで、桜色のパーカで琥珀色の髪の年下男子かわいいです!
とっても良うございます!
すごろくどおりに進むと完全ハッピーエンドではなさそうですが、全部通して読むとちゃんとハッピーエンドになりますね。
凜ちゃんはしっかり考えながら進んでいたはずなので、きちんと快速電車を使えていたということに。
神様が現れなくてもいつか恋は成就していたのかもしれない、でもお近付きになれる機会は与えてもらえましたね。
そして、最後のセリフを言う勇気ももらえたってことになるのかな。
きっかけって難しいですものね、特に男子のほうが年下だと。
神様はそんな凜ちゃんをずっと見ていたのでしょうか。
ふふふと顔が緩んでしまう微笑ましいストーリーで、おいしくいただけました。
[総評]
最初から最後まで人称のブレもなく、しっかりした骨組みで読ませる感じがとても良いと思いました。
また、様々な色が表現されているのが楽しかったです。
冒頭に降って湧いた不思議なシチュエーションがきちんと最後まで貫かれているのも素晴らしい!
良いおねショタで、大変おいしゅうございました。
ありがとうございました。
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