第9話 薔薇の庭園②
それから、イルはそれこそ本当の
六日目の夜には、
そして七日目の朝、
「よし! 散歩に行くか!」
ガヴィは
アルカーナの
外の
(この声――!)
ハッとして声の方に耳を向けるとガヴィが
「よし! アカツキ! この辺で散歩でもすっか!」
「――え?! アカツキ?!」
バタバタと足音が聞こえたかと思うと、
後ろからは
アルカーナ王国第一王子、シュトラエル・リュオン・アルカーナ。その人であった。
「アカツキ!!」
シュトラエル王子はイルの
その全身から
ぎゅうぎゅうとイルを
「問題ない。
「アカツキ! お
……ガヴィ!
そんな王子の笑顔を見て、ガヴィも
「……シュトラエル?」
「あら、レイ
「アグノーラ様、おはよう
「母上! アカツキです! ガヴィがアカツキを連れてきてくれました!」
アグノーラ
「森で
毎日アカツキのお話をしてくれていたものね」
キラキラと目を
ガヴィは改めて「この
「アカツキ、シュトラエルの母、アグノーラと言います。先日はシュトラエルを助けてもらい、本当に
そう言って
イルの
そしてこの王子に
「……シュトラエル、
ね? と王子を
「で、でも……今やっと会えたのに……」
「レイ
と言って王子を
その内側には基本的に王家の者しか入れないのだが、
国王の
今ほども、
「
こちらの
そう言って
北の
「……レイ
そう言って二人に頭を下げる。
これには
「とんでもありません。自分は当然の事をしただけですから。
……そうですね、
夜の森の中、アカツキが王子を温めていてくれなかったらと思うとゾッとします。雨も降ってましたし低体温で力
イルはビックリした。
ガヴィが
「ふふ……シュトラエルが
……アカツキ、
イルはタシタシと
「王子とは
ガヴィはそう言って少年の様に笑った。
ガヴィはそうやって笑うと一気に目が無くなって顔が
ここでの会話で王子
王子は自分の
「……母上、あのね?
……アカツキの
「
……確かに
そう言ってにっこり笑った。
シュトラエル王子は
その後、遊び
王子は「明日も遊ぼうね!」と言うのは
その日、イルは
シュトラエル王子には
しかも明日からは会おうと思えば王子に会えるのだ。
あの
人の
「……お前、本当に王子が好きなんだな」
イルはご
「ハハ……素直なヤツ」
いつものようにちょっと
(……ガヴィが色々考えてくれなかったら、王子に会えるのはもっと先になっていたよね。
……ガヴィに、いつかなにかお礼がしたいなぁ……)
少し先を行くガヴィの背中に、イルは素直にそう思った。
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