第5話

週末、近くの公園でやっている春祭りに向かうと、沢山の屋台が並んでいた。

りんご飴。焼きとうもろこし。ベビーカステラ。

美味しそうな匂いに釣られてあっちこっちの屋台を覗く。

数分後、私の手は抱えきれない程の食べ物を抱えていた。

何処かで食べようと食べられそうな所を探して石段で食べる。

うん。美味しい。

たこ焼きの中身がジュワ〜って口いっぱいに広がり―――「あっつ!!」

火傷した。

すぐさまお茶を飲んで応急処置。大きく息を吐いた。

「私、何で此処にいるんだろ、、、、?」

沢山の人の中には中学校の同級生もいる。どうやら友達と来たようで、楽しそうに歩いている。

「帰ろう、、、、」

こんな所に一人でいたら虚しくなるだけだから。

「さぁ、奇術師ノアのマジックショーだよ!」

祭り会場全体に届くように陽気な声が響いた。

大きな舞台に立っていたのはノアさん。

ノアさんはマジックに参加してくれるお客さんを探している。バレないようにそっと帰ろう。


「はぁ〜、、、、疲れた、、、、」

帰ってから残った食べ物達を胃袋に入れ、ベッドに倒れ込むと、一気に疲労感が襲いかかってきた。

そのまま深い眠りに落ちていった。

『おやすみ、陽茉莉ちゃん』

その声の主を確認する暇もなく、深い深い眠りに落ちていく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る