最強ラスボス魔王様はバズりたい 〜難攻不落の高難易度ダンジョンを支配する最強ラスボス魔王様は、人間に転生して自分のダンジョンで無双する配信をして有名になるそうです〜
#000 暇を持て余した魔王様は転生したい。
最強ラスボス魔王様はバズりたい 〜難攻不落の高難易度ダンジョンを支配する最強ラスボス魔王様は、人間に転生して自分のダンジョンで無双する配信をして有名になるそうです〜
イルティ=ノア
#000 暇を持て余した魔王様は転生したい。
かつて世界を恐怖に陥れた存在──魔王。
世界各地にダンジョンを出現させた犯人である。
彼は自身の世界を滅ぼし、次の遊び場を求めてこの世界にやってきた。
彼が出現させたダンジョンのせいで、多くの凶暴なモンスターや未知の病原菌が現代社会に解き放たれ、人間界はとんでもない混乱に包まれてしまうのであった。
しかし転んでもタダでは起きないのが人間の底知れない
なんだかんだ順応した人類たちは、ダンジョンで採取できる未知の素材や超技術を取り込んで、文明のレベルを数段向上させてしまった。
「やがて成長した人間たちが、あらゆる手段を使ってラスボスたる俺を倒そうと挑んでくることだろう」
その時が訪れるまでラスボスとして君臨するのが魔王の目的だった。
「だが……その……なんというか……」
しかし待てど暮らせど、魔王に挑戦する者は現れない。
ダンジョンがムズ過ぎて誰も魔王の元に辿り着けないのだ。
そんなこんなでもう100年。
ぶっちゃけ魔王はラスボスに飽きてきていたのであった。
「つまらんものだな」
玉座にふんぞり返り、ため息を漏らす魔王。
「とりあえず今日も配信見て時間潰そぉ〜、と」
そう言って魔王は空中にモニターを具現化した。
魔王の超常的パワーでスマホの画面を再現した代物である。
「ダンジョン配信、か……」
ダンジョンの攻略を配信するという、人間界で流行りのコンテンツである。
詳しくは現代ファンタジーランキング上位の作品を読めば大体理解できるだろう。
「クク……この世界の世界の人間は面白い余興を思いつくものだ」
鼻で笑いながら、面白そうな配信を探す魔王。
「なんかパッとするような配信ないなぁ……」
ランキング上位の配信を流し見する魔王。
しかしこれといって気に入った配信が見つからないのであった。
「おっ」
ランキング下位まで目を通したところ、気になる配信を見つけた魔王。
それはついさっき始まったばかりの配信である。
同接0人、チャンネル登録者も数人の底辺配信チャンネルというやつだ。
配信のタイトルは、
『ヒョロガリ弱者男性クソオスをモンスターの餌にしてみた』である。
「ヤラセでなければ……明らかに規約違反スレスレ、というか完全アウトな内容だが……」
画面には複数人の女性と一人の男子が映し出されていた。
簀巻きにされた気弱そうなメガネ男を、女性配信者たちが凶暴なモンスターの巣に突き落とそうとしている直前の場面である。
「ほう、コイツらガチでやる気だな?」
ワクワクしながら食らいつくように画面を凝視する魔王。
「普段は声高に理性や倫理観が大事などとくだらんことを
無駄に饒舌な独り言を呟いた後、魔王はふとあることを思いついたのであった。
「……ん? もしかしたら、これは良い退屈しのぎになるのではないか?」
ニィ、と魔王らしさ全開の笑みを浮かべる魔王。
「どうせこのまま死ぬだけだ……ならその体、少し借りても構わんだろう?」
ざっくり魔王の目論見を説明すると以下の通りである。
魔王の本体はこの場に残し、力の一部を死にかけの人間に譲渡する。
すると魔王が自由に動かせる人間の肉体を手に入れることができるのだ。
「ここにいても暇なだけだ。ちょうど良い、人間界に遊びに行ってやるとしよう」
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