彼女の親友の穴に挿れる。

さい

好きって気持ちはなんで起こるの?

 ダメだということは知っていた。

 別に誰かからダメだと教えてもらったわけではない。

 なのに、これがダメだとみんな気づいている。

 不思議だ。

 

 ベッドには汗でべったりとしている白川。

 とても気持ちよさそうにしている。


 確か、八割くらいが演技だったよな。

 これはどっちだ?

 二割だったらいいなあ。

 どうなんだろう、俺は上手いのかな?


 初めては正直緊張で気持ちよくなかった。

 ただただ、童貞を捨てられたという気持ちにより幸福だけがあった。

 いいや、それは嘘だ。

 本当のところ、罪悪感で死にそうになっていた。


 ごめん、美咲。

 俺ってゴミだ。

 死んで償いたい。


 気づけば、俺は涙を流していた。


 なら最初からやるな、という話だろうけど、そういうわけじゃないんだ。

 性欲をコントロールできる人などいない。

 みんな、本能のまま暴れ出す。

 それが男という生き物。

 そもそも、俺は高校二年。

 思春期なんだ。


 ニコッと微笑む白川を見て、今は無駄なことを考えることにした。


 すると、不思議と温かさが伝わってくるではないか。

 変な感覚だ。

 けど、


      き

               も

          ち

      い

           い 

        〜

                 〜

    (笑)


 ああ、これがヤるってことなのか!!


 五月下旬、俺は初めてを捨てた。

 相手は彼女の親友。


 俺の初恋の相手──



 三年前──


 中学二年、体育館裏にて。


 俺こと神崎優斗は告白した。

 相手はマドンナ。

 ザ・清楚な雰囲気に反して、身体つきはエロく、もう思春期の俺にドストライクな相手。


 知らなかった。

 彼女が誰とも付き合っていなかっただなんて。


「ごめん……ね、私、彼氏は作らないって決めててさ」


 わかっていた。

 俺のような人間が彼女と付き合えないことくらい。

 

 そうだったんだ、だから、彼氏がいなかったんだ。

 いやいや、なはずあるかよ。

 どうせ、年上の……高校生彼氏と付き合ってるんだろ?

 毎日XXXしてるんだろー?


 なんてことを考えていると、一人の男子高校生がやってきて、俺の目の前で二人はキスをしだす。

 そして、ヤり始める。



「うあああ──ッ!!」


 俺は叫びながら、目を覚ました。


「はあはあ……」


 またこの夢だ。

 三年前の話だというのに、毎月一回はこの夢を見る。


「最悪だ」


 下腹部がネバネバとしているのがわかった。


 本当、俺ってきもいな。

 夢精なんてするなんてなあ。


 朝から最悪な気持ちで、俺はリビングへと向かうと、そこには──


「優斗、遅いっ!!」


 制服姿の二人の女子生徒。

 それに、母がダイニングテーブルにつき、朝ごはんを食べていた。

 女子生徒の片方は俺の妹の秋葉、もう片方は隣の家に住む幼馴染の夏海美咲だ。


「うるせえ、お前が起きるの早いだけだわ。まだ三十分もあるじゃねーかよ」


 と、俺は美咲の隣に座る。


 そんな俺と美咲には家族には言っていない、秘密が存在する。

 それは、付き合っているということだ。

 一ヶ月前、美咲から告白された。


 美咲は元気な女の子で、妹のような存在。

 告白された時、正直に言おう。

 妥協だった。

 彼女が欲しいという気持ちのな。

 あとは、あの夢を見ないようになるかもと。

 まあ、なれなかったわけだけど。

 それに、俺はいまだに彼女のことが好きではない。

 好きではないのに好きという気持ちがある、変な気持ちがある。


 あー、俺って最低だな。


 ご飯を食べ終わり、時間になると俺は美咲と秋葉と家を出る。


「んじゃ、行ってくる」

「はい、いってらっしゃい!!」


 お母さんに見送られながら、俺たちは学校へと歩き出した。


 秋葉とは途中で別れ、美咲と二人で歩き出す。


「そろそろ、言った方がいいよね」

「まあなー」

「けど、恥ずかしい」

「だよなー」


 この時の俺は当然知るはずもない。

 放課後、あんなことが待っているだなんて……。

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