隠キャボッチの俺が、金髪碧眼・巨乳で陽キャな学校で一番可愛い『花守 花音』さんに懐かれました〜俺、いつものようにソロキャンプしてただけなんですけど〜
第1話 隠キャボッチの俺がいつものようにソロキャンしてたら『花守 花音』さんを助けて、それで!?
隠キャボッチの俺が、金髪碧眼・巨乳で陽キャな学校で一番可愛い『花守 花音』さんに懐かれました〜俺、いつものようにソロキャンプしてただけなんですけど〜
シトラス=ライス
第1話 隠キャボッチの俺がいつものようにソロキャンしてたら『花守 花音』さんを助けて、それで!?
「香月ってさ、空気じゃね?」
「空気は生きるのに必要さ。香月の存在は空気だけど、空気ほど重要な奴じゃないって」
「確かに! 香月なんて居ても居なくても一緒だよな、あはは!」
クラスの男子の中心であるサッカー部のイケメン袴田くんと、その取り巻きは俺を指して、そんな会話を交えていた。
まぁ、仕方がない。袴田くんらが、俺のことをそう言うのは仕方のないことだ。
なにせ俺は授業中以外は眠そうなふりをして机に突っ伏していることが多い。
昼飯は人目が全くない職員用喫煙所跡地の東屋で1人で取っている。
部活なんてものにも入っていないし、一緒に帰る相手だっていやしない。
なにかしらのグループ分けで残り物になってしまうのは、もはや定番。
俺、【
ーー中学二年の林間学校までは、まだちょいマシな交友関係を持っていた俺。
だけど、"中2の林間学校でのあの出来事"から俺は、人と関わるのが怖くなった。
そのため人への積極性が失われたというか……だから高校デビューも失敗し、この4月に高二になったが、今でもボッチである。
と、これが"学校にいる時の俺"
しかし"休日の俺"は少々違い、愛車の110ccスーパーカブにテントや道具を積んで、利用料がたった1000円の近所の湖畔キャンプ場へ向かって行く。
俺の趣味というか、唯一の特技は"キャンプ"なのだ。
ぶちゃけ、俺にはそれしかない。そして友達が1人もいないのだから、当然ソロキャン。
「ふぃー! 完成!」
ものの30分少々で、湖畔にテントを張り、椅子を並べて設営完了。
さっそくバスケットチェアに腰を下ろす。
さて、これからなにをしようかな?
いつもみたく、親に邪魔されずゲーム三昧とするか?
それとものんびり惰眠を貪ろうか?
とそんなことを考えていた時のことーー
「わぁー! ここが本物のキャンプ場かぁ! すごぉーい!」
学校ではぼっちな俺だけど、そんな俺でも聞き覚えのある"有名人"の明るい声に、思わず反応をしてしまった
遠くからでもはっきりと確認できるくりっとした大きな青い目に、やや金色がかった長い髪。
ちなみにこれは全て天然もので、クォーターのお母さんから遺伝? とか、高一の頃の自己紹介の時、説明していたっけ。
「にしても相変わらず、大きなぁ……何カップあるんだろ、あれって……」
更に目を引いたのがやはり、彼女の胸、つまりおっぱいだ。
マウンテンパーカーってのはわりと余裕のある着心地なんだけど、彼女の胸はそんな余裕などまるで無視して、存在感をありありと示している。だけどくびれているところはちゃんとくびれているし、スタイルは抜群。
彼女こそ、俺のクラスで1番、いや学校の中で1番"可愛いくて美人"と言われるーー『
そんな彼女が大きなザックを背負って、このキャンプ場に来ているということは、もしかして……!?
「花守さんもキャンプするんだ……!」
親近感が湧き、結構嬉しかった。
なにせ花守さんは俺みたいな隠キャボッチとはまるで正反対の陽キャな世界に住む人だ。
彼女はみんなのアイドル的な存在で、まさに高嶺の花と言っても過言ではない。
「後から仲の良い友達がやってきて、リア充キャンプでもするんだろうなぁ……」
特にやることがない俺は、こちらに気づいていない花守さんの様子を観察することにした。
いくら同じクラスだからって、俺のような下賤ものが声をかけるなど畏れ多い。
花守さんはまずテントの設営から始めたようだけど……
「あれ? 苦戦してる……?」
でも、あのテントって有名なソロ用のドーム型だから、そんなに難しくはないはず。
それでも苦戦を知られていると言うことは、花守さんはおそらく"初めて"キャンプをするのだろう。
「困っているみたいだし、声をかけてみるか……?」
一応、去年の調理実習では一緒の班で、そこそこ会話をしたし……。
いやでも、話したのはそれっきりだぞ?
声をかけて"あんた誰?"的なリアクションを取られる可能性もあるし……
「ボッチ慣れはしてるけど……そのリアクションをマジでされたらショックだなぁ……」
でも本当に困ってそうだし、うーむ……と、悩んでいた時のことだった。
花守さんの隣のサイトでタープを張り、BBQをしていた大学生っぽい男達が、設営に難儀している彼女へ声をかけ始めた。
「だよな……あんな可愛い子が設営で困っていたら、声をかけるよな、普通……」
特にみんなで楽しくBBQなんてする陽キャ集団なら、花守さんみたいな可愛い子は絶対に放っておかないと思う。
でも、待てよ……なんだか様子がおかしい。
陽キャ集団は、花守さんの設営を手伝わず、しきりに話しかけているのみ。
当の花守さんは、断るようなリアクションを見せている。
すると陽キャの1人が、花守さんの肩を抱き、無理やりその場から連れ去ろうとしている。
ーーここ最近キャンプが市民権を得たのは喜ばしいことだ。しかし同時に迷惑な連中も急増している。
その最たる例が、女性キャンパーを狙った、ナンパ行為をする連中だ。
キャンプ場はキャンプを楽しむ場であって、ナンパスポットではない!
でも、ここで俺が飛び込んでもどうにかなるのか?
花守さんからすれば、俺もナンパ男に思われないか?
そもそも教室でも空気な俺を、クラスメイトだと認知してくれるのか?
……と、迷っている間に、花守さんと陽キャ集団の雲行きがどんどん怪しくなっている。
陽キャの連中はお酒を飲んでいるようで、花守さんを複数人で囲み始めている。
もはや迷っている場合ではない! "あんた誰?"と花守さんに言われたって構わない!
「こ、こんにちはぁぁぁぁぁ!」
俺は花守さんと陽キャ集団に近づくや否や、やぶれかぶれそう叫ぶ。
なんで挨拶かと言うと、それしか言葉が思い浮かばなかったからだ!
「香月くん!?」
おおっと、これは! 花守さんは青い目に俺のことをしっかり映し認識してくれたぞ!
しかし同時に、邪魔をした俺へ、少し酔っている陽キャ大学生集団は睨みを効かせてくる。
この展開、多少予想していたけど、この先どうしよう……
「お、遅いよ香月くん! 待ちくたびれちゃったんだから!」
突然花守さんは、まるで恋人かのような態度で、俺の腕にひしっと抱きついてくる
しかも二の腕には彼女自慢の胸の感触が……!
ここは同じような態度をとって、やり過ごすのか正解なのか!?
「ご、ごめんなさい、待たせちゃって……?」
「本当だよ、もぉ……! このお詫びはあとでちゃんとしてよね?」
「あ、ああ、もちろんです!」
ふと、陽キャ集団が俺たちに背中を向け、歩き始めていたことに気がついた。
どうやらナンパは諦めたらしい。
思わず安堵の息が溢れでいる。
ほぼ同時に花守さんも、ホッとしたため息を吐いていた。
「たはぁ……ありがとう、香月くん。変なことに巻き込んじゃってごめんね」
「あ、あ、いや、別にそのことは大丈夫ってか……そろそろ離れてくれませんか?」
「え? ひゃぁあ!?」
花守さんは顔を真っ赤に染めて、飛び退くように俺の腕から離れるのだった。
「ご、ごめんね! あの、その、えっと……恋人っぽく演じた方が、あっちも諦めてくれるかなって……!」
「な、なるほど。にしても、よく俺の名前、覚えてましたね……?」
「そりゃクラスメイトだもん! 去年の調理実習も同じ班だったし、覚えてるって! 香月くんこそ、私のこと覚えててくれてありがと!」
そりゃまぁ、花守さんは学校じゃ有名人だし、"
「あ、あのさ、香月くんって、もしかしてここで本当にキャンプしてたの……?」
「あ、えっと、まぁ……」
そう答えると、花守さんの大きな青い目がキラキラ輝き出したように感じる。
「ここで会ったのもなんかの縁だし、一緒にキャンプしてくれないかな!? てかやって! お願いっ!」
そしてまさかの展開!? 空気な俺と、いつもキラキラ輝いている花守さんが一緒にキャンプを!?
【作者からの大事なお願い】
本作はカクヨムコン10の参加作品となります。
読者選考を通り、先を見据えるためにも、是非作品フォロー・★評価・各エピソードへのいいね・ご感想などをください。いずれも本作の評価の基準となり、躍進するきっかけとなります。
ですので、本作を良いと思ってくださいましたら、些細なことであろうともなにかしらの“アクション”を起こしてくださいますよう、お願い申し上げます。
特に★のつき方が悪くなると急落し、そこでゲームオーバーになります。なんだか最新話の最下部にしか入力欄が出ないようなので。
また併せて作者フォローもしていただけますと、大変ありがたく存じます。
それではどうぞよろしくお願いいたします。
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