第4話 旅行1日目、飛び立つ飛行機

私たちの搭乗順は3番目。呼ばれるまで搭乗口近くに座って待つ。


外には既に、私たちが乗る飛行機が待機している。ボーイング787、エンジンのギザギザが特徴的な機体だ。奥には国際線用の機体も見える。


「GROUP3」


案内版に表示されたのを確認していざ搭乗。混雑することもなくスムーズにボーディングブリッジを渡る。機内ではCAさんが客の誘導をしていた。どうやら座席を間違えた人がいたらしい。


少し待って自分の座席に着く。シートベルトを忘れずに締める。あいにくの雨天だが、気持ちは初めてづくしで昂っていた。


機体が動き出す。トーイングカーを使って後ろに下がっているのだろうか。

その後、誘導路を自走していく機体。その途中で管制塔も見えた。


羽田空港には4つの滑走路がある。今回は駐機場から遠いD滑走路に向かっていたようだ。前方にも後方にも離陸待ちの機体が並んでいる。ここまで15分ほど走っていた。


いよいよ私たちの番。エンジンが唸り声を上げて一気に加速する。フワッとした感覚があったと思いきや、急速に高度を上げていく飛行機。雲の中を突っ切るが、思ったよりも揺れなかった。非常に安定した立ち上がりだった。


窓の外には雲海が広がる。眼下に雲がある光景はもの珍しく、私はじっと眺めていた。あっという間に生駒山地を抜け、高度を下げたときには青空が広がっていた。


大阪湾が見え始めると、少しずつ高い建物が見えてくる。


「あれが大阪の街か」


あべのハルカスや大阪城がハッキリ見える。ここまで近い場所を低空で飛んでいくのか。


飛行機は速度を落としながら降下。着陸時の衝撃はあるが、気になるほどのものではなかった。こうしてあっという間に伊丹空港に到着。


ここから慌ただしい観光が始まる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

初の飛行機旅 ~神戸・姫路・大阪編~ 渡り鳥 @Zugvogel

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ