男と女の初恋

@allengnash

第1話

第1章 男の初恋


「大阪から来ました坂本ミライです。よろしくお願いします。」

僕は一目惚れだった。

幸運な僕は席が隣になり、更にミライちゃんの方から話しかけてくれた。

「山内君はなんか音楽聴く??」

「reGretGirlめっちゃ好きで、」

「えまって、うちもめっちゃ好きやねんけど、何好き?」

「・・・」「・・・」

最初は音楽、そして色々なことに気が合い次第に仲良くなって行った。

ただミライちゃんにとって僕はただの仲の良い人で好意がないことはなんとなく分かった。

そして半年も経たないうちにミライちゃんは転校してしまった。。


8年後、、、

「気持ち悪いぃぃ、」

二日酔いで目覚めた俺はとりあえず好きなreGretGirlのホワイトアウトを聴きながら二度寝した。

浅い眠りの中、ふとreGretGirlが好きだった昔の初恋の子のことを考えていた。

「ピコン」

通知がなった。

<これから飲まね?>

(いやもう17時かよ、、)

親友のギンジからのラインで今の時間に気づいた。二日酔いでしんどかったので普通に断ろうと思った。

「ピコン」

(ちな合コン)

(あり)


合コンの相手はギンジのサークルの同期らしい。

店の前で待ってると昔の初恋の子に似た子が近づいてきた。

「あのーもしかしてギンジのー、、、」

と俺から声をかけると

「そうですそうです。」

と関西弁で返って来て、もしやと思った。

「山内シンジって言います。今日はよろしく〜」

「坂本ミライて言います。よろしく〜」

ミライちゃんだった。どうやら俺のことは覚えていないらしい、、転勤族なのでしょうがないと思うしかなかった。

忘れられていたことが悔しく、昔のことは話さず普通に話し始めた。

話して行くとやはり気が合い盛り上がった。合コンが始まってもほとんど二人で話していた。

連絡先を交換し、頻繁に連絡し合った。

最初は居酒屋デートから始まり、古着屋デート、ドライブと色々二人で回った。

夜の川を見ながら話をして、数秒の沈黙が経ち、

「あのーめっちゃ好きです。付き合ってください!」

「ええよ、よろしく」

少し照れながら言う彼女がとても愛おしかった

こうして俺は忘れられない初恋の子と付き合った。


第2章 女の初恋


始まりはある合コンだった。

友達に誘われ、渋々参加した。

店の前まで歩いて行くと、その人はいた。

「もしかしてギンジのー?」

「そうですそうです。」

「山内シンジです。今日はよろしく〜」

「・・・」「・・・」

自己紹介を済ませ、みんなが集まるまでたわいもない話をしていた。

「来るまでヘッドホンつけてたけど、何聴いてたの?」

「reGretGirl好きで」

「待って俺もめっちゃ好き」

「ほんまに!ちなみに今はホワイトアウト聞いてた」

「・・・」「・・・」

その後も会話は弾み、音楽だけでなく色々なことに気が合った。

合コンで連絡先を交換し、ラインを送り合う仲になった。


最初は居酒屋だった。

「緑ハイ飲む?」

「ええやんええやん」

「ポテトサラダ食べる?」

「うん食べる!」

色々と進んで決めてくれ、気が楽だった。

会話も楽しく、よく笑って最高な1日だった。

家に帰るとずっとシンジ君のことを考え、もう会いたくなっていた。これが恋か。


次は古着屋でのデート。

前回の居酒屋デートで彼から古着屋行こうと言ってくれて古着屋デートが決まった。

下北に12時集合だ。

昼はカレーを食べて、色々と古着屋を回った。

「これとかいいんじゃない?」

「もう買っちゃう!笑」

気に入ってはなかったが、シンジ君に勧められて買ってしまった。不思議と悪い気はしなかった。

最後にレモンサワー専門店のお店で飲んで帰宅した。レモンサワー発祥のお店らしい。

かなり酔っ払ったせいかもしれないが、どんどん会いたい気持ちが高まった。

次告白されなかったら、自分から告白しようと思った。


最後はドライブ。

デートも全部決めてくれて申し訳なく思った。

前回の古着屋でシンジ君に勧められて買った服を来て集合場所に向かった。

新宿の東口で待っていると後ろから、

「ミライちゃん」

と肩をつつかれ後ろを向くとシンジ君がいた。

「ごめんごめんチバちゃん、車あっちだから・・・」


ミライちゃんとは誰なのだろうか。後ろ姿で間違えたのは服で間違えたのだろうか。でもこの服、、、

そういえば今まで全部彼が決めてくれてたな、、

今までの時間、私はミライちゃんに重ねられていただけだったのかと思い、

目の前が真っ白になった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

男と女の初恋 @allengnash

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画