ドレスコード&ソウル

斎藤ニコ

01

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ドレスコード&ソウル



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☑彼女


突き抜けるような青空を見て彼女は思った。

――自由だ。これなら復讐だってできる。







☑case-0


人工知能を搭載したアンドロイドが世に現れてから二十年の時が経つと、人々というものはそれが自然なものであると錯覚し始める。

 五十年前に騒がれた〈人に害を為す幽霊(ゴースト)〉は未だに現存し、四十五年前は世間を騒然とさせた〈能力者の一斉開眼〉はとうの昔のことで疑問に思う者さえいない。

 二〇九五年の世界には、かつて誰もが想像できなかった問題が存在していた。


 一つは、アンドロイド・ガイノイド等に搭載される〈完全一個体人工知能〉に依存しはじめた社会。人間はもはや創造された知能に生かされている。

 一つは、ゴースト(幽霊)及びゴーストデブリ(残滓幽霊)による予測不能の災害。不可視のウイルスのように漂う彼ら彼女らの魂は、死してなお生きるものを苦しめている。

 一つは、一斉開眼を皮切りに増加の一途を辿る〈超能力者〉という異分子の区分け。見た目には分からぬその異質さは、原初より人に備わっている危機感を逆なで続けている。


 これら三つの問題は複雑に絡み合っており、解決の目途は立っていない。いつの時代にもあるような、腐乱した政治的問題をも多分にはらんでいる。

 かつての常識を知るものが居なくなれば全ての常識は淘汰される。誰にも予測できなかった未来は、〈機械〉と〈魂〉と〈異分子〉との軋轢を内包したまま次なる時代へ進もうとしていた。

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