Hello New World

空山羊

第1話 予感

安寧6年12月6日(金)AM5:00


目覚めた私には何かが起きるそんな予感がしていた。


というか、この1年近く・・・いや、この10年もの歳月待ちわびた日が近い、そんな予感がしていたんだ。


そんな予感がした目覚めだったが、特になにもなく私は朝6時30分に家を出た。


会社の始業時刻は9時だが、私の家は都心から離れたベッドタウンの端の端にある。

7時を過ぎて電車に乗ろうとすると、人、人、人、人、人・・・・・・と人に酔いそうな位の量の人が電車に殺到する。

所謂、というヤツだ。


この現象には海外の屈強な男性たちもと音を上げるほどのものだ。


現に乗車率MAXの時は大人の私ですら浮くことがある。


そんな満員電車を避けるべく早く出社をしている。


そこから1時間30分かけて、都心にある会社へ出社した。


会社に着くなり私は早々に仕事を始める。


私は中小企業の中間管理職だ。


今、担当していることは総務、人事、労務、施設管理、防火防災管理、衛生管理等などだ。


そんな仕事をしていると、やれドコドコが故障したから直して欲しいと言われ、天井裏へ登ったり、業者と交渉したり、誰々が誰々に陰湿な嫌がらせを受けているから改善して欲しいだの、役員との打合せだの、来年やる賀詞交換会の打合せでホテルとの打合せだの色々やることがある。


そんなこんなをしながら毎日を過ごしているのだが、私は今朝起きた際の予感を信じていた。


なので、予感に従って同僚や部下へ私が急にいなくなっても大丈夫な様に引継ぎを行っていた。


そんなこんなをしていたPM3:18に私のスマホが震えた。


スマホの通知を確認するとМINEの通知だった。


送付された文章を確認した私は、スクッと立ち上がり上席の所へ行き、すぐさま帰ることを伝えた。


どうやら予感が現実に変わりそうだ。

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