Heart Words
憧宮 響
Heart Words
「うーん、どんな言葉がいいかな・・・」
今度の詩の公募。
それに出す詩を書いているのだ。
「悩んでるな」
そう笑いながら「ほい」とノートの横にコーヒーを置いたのは、幼馴染の
突然顔の距離が近くなり、詩海はどぎまぎする。
(こーゆーとこっ・・・ホント、憎らしいんだからっ・・・!)
なんせこの秋介、詩海にとって幼馴染であると同時に、片想いの相手でもあるのだ。
彼への想いが、詩海が詩を書き始めたきっかけ。
勇気が出なくて、想いを告げられない代わりに、せめて、どこかに彼への想いを吐き出す場所がほしかった。
「・・・お、この表現、オレ好きだわ」
秋介は嬉々として、その部分を読み上げる。
無邪気な彼を見て、思わず詩海は苦笑してしまう。
「なんだよ?」
「いや、なんでもない」
「変な奴」
「いいでしょー」
言って、また創作活動に戻る。
(こいつ、一生気づかないんだろうなぁ)
愛しさと諦めが、心に湧き上がる。
ー全部、あんたへのラブレターだよ。バカ。
了
Heart Words 憧宮 響 @hibiki1003
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