すれ違い

アオイロノペン

すれ違い

この時間になるといつも

窓の外に立つ君は

誰を待つのか

いつも赤いシャツで

曇りガラスの向こうが

片側ほんのり染まる


君の姿を見たい

そう思わないでもないが

私はいつもキッチンで

何かを焼いているか

何かを煮込んでいるので

ドアを開けて外に出る

ただそれだけが難しい


そうこうしているうちに

君の輪郭は淡くなり

窓の外は藍色に包まれる

ああ

今日も夕日を見逃した

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