第30話ステータスと新スキル

『やりましたなあるじ様。立派なお姿ですぞ』

『ありがとうギン爺』


 ギン爺が進化した宵闇よいやみ幼竜の姿を褒めてくれた。

 私もドラゴンに変化した自分の姿が見たい!

 ここは丁度いい具合に池だし、ちょっと見てみようかな。


 私が水面を覗き込むと、少しだけ首が長く筋肉質な身体をした真っ黒なドラゴンが映っていた。

 へー、これが宵闇よいやみ幼竜の姿か、東洋の細長い竜じゃなくて西洋のドラゴンに近いわ。以前より長い手足が二本ずつあるから人間に近い感覚で動けるわね。

 二本足で歩けるようになったし、名前通り真っ黒でちょっとかっこいいじゃないの。こいつは大当たりの進化先だわ。

 運命を操る我が能力(自称)〖転生者LV――〗の力でSSRを引き寄せたのかもしれないわね。


 まずは上がったスキルを確認していきましょう。

 特に〖気配探知〗〖飛行〗〖暗視〗〖隠密〗〖闇魔法〗のLVが一気に上がってるわね。

 新しい〖闇魔法〗も覚えたわ。

 いきなり実践で使うのは危険だし、これは後で実験しないとだね。


 それと〖真空斬〗と〖人化〗を覚えたんだけど、〖真空斬〗はアランが持ってた斬撃を飛ばすスキルだよね?

 私の手じゃ剣を持てないのにどうやって使うんだろう?

 〖人化〗と合わせて要検証だね。


 後は通常スキル〖鱗〗が〖竜鱗〗に進化したわ。

 これはどう変わったのかな?

 教えて天の声の姉さん!


【通常スキル〖竜鱗〗とは〖鱗〗よりも高い物理耐性に加え、魔法や各種耐性も兼ね備えている強力な防御スキルです。パッシブスキルなので常時発動しています】


 おおおっ! これってかなり優秀なスキルじゃないの!

 常時発動のパッシブスキルなら発動タイミングも考えなくていいし、単純に〖鱗〗の上位互換って感じかな。

 トカゲから竜に進化した恩恵は大きいわね。


 次は新しく取得した〖宵闇の申し子LV――〗。この称号はどんな効果があるんだろ?


【称号スキル〖宵闇の申し子LV――〗とは宵闇の時間帯に各種ステータスがアップする称号スキルです】


 あーなるほど、時間限定パワーアップする感じね。

 確か宵闇って日が暮れて月が出るまでの時間だったかしら?

 かなり短い時間の限定的なスキルだから使い勝手は悪そうだけど、持ってて損はないわね。


 ステータスの方はどうかしら?

 LV1だから多少落ちてるのも覚悟しなきゃ。

 いざ、ステータスオープン!


―――――――――――――――――――――


〖アテナ〗

種族:宵闇よいやみ幼竜

ランク:C+

LV :1/55

HP :158/325

MP :102/256

攻撃力:307

防御力:210

魔力 :256

素早さ:270


通常スキル

〖鑑定LV6〗〖竜鱗LV1〗〖気配探知LV7〗

〖思考加速LV6〗〖念話LV6〗〖人間言語LV6〗

〖飛行LV6〗〖暗視LV7〗〖隠密LV7〗

〖HP自動回復LV4〗〖MP自動回復LV4〗〖肉体再生LV4〗

〖痛覚緩和LV4〗〖人化LV1〗〖体当たりLV6〗

〖尻尾攻撃LV6〗〖爪撃LV7〗〖牙撃LV6〗

〖真空斬LV1〗〖ファイアブレスLV6〗〖呪詛LV1〗


魔法スキル

〖火魔法LV5〗

着火ライター〗〖ファイアボール〗〖ファイアストーム〗


〖土魔法LV4〗

〖ダート〗〖ダートウォール〗


〖水魔法LV4〗

〖癒しの水〗〖浄化の水〗


〖闇魔法LV7〗

〖ダークミスト〗〖ダークシェル〗〖シャドウ〗

〖ダークショット〗


耐性スキル

〖物理耐性LV6〗〖魔法耐性LV4〗〖酸耐性LV5〗

〖毒耐性LV7〗〖麻痺耐性LV3〗


称号スキル

〖転生者LV――〗〖悪食LV――〗〖反逆の寵児ちょうじLV――〗

〖修羅界LV――〗〖宵闇の申し子LV――〗


スキルポイント:1930


―――――――――――――――――――――


 ステータスもめちゃめちゃ上がってるじゃんかよ!

 今まではLV1に落ちるから、進化したての時はMAXの時より落ちてたのになんでだ?


【種族リザードと種族ドラゴンの種族差により、ステータスが上昇しています】


 私が不思議に思っていると天の声の姉さんが答えてくれた。

 なるほどね。ドラゴン特典がいっぱいありすぎて本当にありがたいわ。

 これならあの大蛇にだって勝てるかもしれない……!


『無事元湖の主を仲間にしたようだね。さらにドラゴン種にまで進化してるなんて驚いたよ』


 私が宵闇よいやみ幼竜のステータスに感動していると、突然神の声(仮)の声が聞こえてきた。

 相変わらず唐突に出てくる奴だな。今からいきますよーとか言えんのか?

 いつも急だから心臓に悪いんだよ。


『間が悪くて悪かったね。それより急がなくていいのかい? 大蛇が指定したのは今日の夕方だろう?』


 神の声(仮)に言われ、もう日が暮れかけているのに気が付いた。

 ヤバい! もう暗くなってきてるじゃない!

 大蛇の奴は今日の夕方に湖までこいと言っていた。急がないとフェリシアが危ない!


『時間がないのに気付いたようだね。でも、君もドラゴンに進化して強くなったけど進化したてだ。僕の見立てじゃまだ大蛇に分があるよ』


 忠告どうも。

 でもね、私は勝てる勝てないで戦うんじゃないの。友達を助けるために戦うのよ。


『友のために戦うか、まるで物語の主人公のようなセリフだね。本当に格好いいよ。君の話しを聞いてると本当に勝っちゃいそうだ。期待しているよアテナ』


 そう言い残すと神の声(仮)の声は聞こえなくなった。

 帰ったか、あいつが心配してくるなんて意外だな。

 それだけ大蛇が強いって事なのかもしれない。


 新しいスキルを試したかったけどもう時間がない。

 大蛇の待つ湖に急がなきゃ!

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