白忌神
物語創作者□紅創花優雷
田舎町の「神様」
彼は知らなかった。無理もないだろう、彼は神も仏も知ったこっちゃない、ごく一般的な日本人なのだから。
彼は黒鳥ともき、二十九歳。職業はフリーの写真家、言い方を変えればフォトグラファーになるだろう。
独身男性で、稼ぎはまぁ食っていける程度である。比較的都会の中にあるごく普通の一家に生まれ育った彼は、成績は中の上、クラス内では中くらいの普通グループに属していたし一応彼女はいた。総じて、人並み以上には良い普通の人生を送っている。
そんな彼が写真家になった理由は、単純に写真を撮るのが好きだから。それは小学校の入学祝に、写真が趣味の父からにカメラを買って貰ってから事は始まる。公園に咲いている花やら、木に止まっていたセミ、学校の友人達を被写体にして、様々な物を撮っているうちにいつの間にかそれが仕事になっていた。
写真を撮るのは楽しい。これを仕事に出来たのは、この人生の中で一番の幸福だと思える。会社を辞めて写真の道に行くと決めたあの時の自分の判断も、褒めて然るべき事だと思っている。
そんなともきだが、今は相棒のカメラを首に下げ、昔を感じる電車の座席で一人揺られている。
外に見える景色は、田舎の喉かな風景だ。初夏を象徴するような緑は豊かで、背の高い建物は一切見あたらない。なんだか、時間がゆっくりと進んでいるようなそんな錯覚すらしてしまうような場所だ。
社会の荒波が嫌になって田舎に逃げたとかそんな理由ではなく、単純に趣味での撮影の為にとある所に向かっているのだ。
今から向かうそこに、神社がある。神社なんてどこにでもあるだろと思われるかもしれないが、これが中々いい条件の揃った場所なのだ。
そこは山の上にあり、所謂千本鳥居を抜けた先にその社があるそうな。その社は人の出入りがなく、少し寂れてこそいるが、ちっぽけな物ではなく寧ろ立派と言える物だと。それが本当ならとてもいい。画になる神社を通行人も気にせず撮影出来るのだ。それに今回は仕事としての依頼ではない為、自由に出来る。クライアントがいない分口出しされる事もないのだ。
その事も相まって、まさにルンルン気分のともき。過去に撮った写真を眺めていると、あっという間に目的地に着いた事を知らせる車内のアナウンスが耳に届く。
そうして、ともきは電車から降りた。
「雲一つない晴天、ってやつだなこりゃ」
写真日和のいい天気だ。田舎の町並みはそれだけでも絵になると、軽く数枚写真を撮る。大本命の前に、少し辺りを撮りながら散策しよう。こんな機会はあまりないのだから。
和やかで、ザ・日本という感じだ。
絵に描いたような田舎町、ともきは都会が嫌になっている訳ではないが、たまにはこういうのも良いなと思う。
緑を画に収めていると、第一村人を発見した。どうせならリアルな生活を写真に撮らせてもらおうか、ネットに公開しなければ撮らせてくれるかもしれない。なんて思って、声を掛けようとした。
しかし、ともきより先に、そのおばあちゃんがこちらに気が付く。
「おやおや、カメラマンさんかい? こんな田舎までよぅ来たわねぇ」
一般的にイメージされそうな、白くなった髪をお団子に結んだ優しそうなおばあちゃんだ。
穏やかな笑顔を浮かべながら、珍しい来客に声を掛けてくる。
「はい。この村に神社があると聞きまして、そちらの撮影をしたいと思いまして」
にこやかに答えると、優しい表情を浮かべていたおばあちゃんの表情が険しくなる。
もしかして、撮影が駄目だっただろうか。しまった、趣味で撮りに行くからと油断して大事な所を確認していなかった。
内心焦っていた。しかし、そんなともきを知らず、おばあちゃんは口を開いた。
「あそこにはいかない方が良い」
撮っちゃダメ、ではなく行かない方がいいと。その言い回しが気になったが、ともきはその意を汲み取れきれなかった。
「撮影許可をされていないのですか?」
「そういう訳じゃないよ。ただ、白神様は……」
口籠っているおばあちゃん。
白神様と言うのは、その神社に祀られている神様の名前なのだろうが。もしかしてあそこの神様に何かあるのかなんて思って首をかしげると、そんな所で若い女の大きな声がともきに降りかかる。
「あそこは行っちゃダメよ!」
その言いぐさはまるで、鬼退治にでも行こうとしている人を止めようとしているかのようだ。顔を青くして、必死に訴えかけてくる。
それを聞いたおばあちゃんは、また表情を一変させ怒鳴り声をあげる。
「あなた、白神様になんてことを言うんだい!」
「白神様? いつまでも時代錯誤な事言うんじゃないわ、あれは忌神よ!」
何だろうか、この空気。つまりは、その白神を信仰しているおばあちゃんと、同じ神を恐れている若い女の言い争いか。
ともきは、こう言った争いの規模が大きくなった物が宗教戦争なんだろうなぁと思いながら、まぁまぁと二人を宥める。しかし、やはりこれは意味がない行動であった。
ともきの仲裁を気にする事なく、二人は言い争う。少しの間続いたその争いは、最終的に若い女の方が折れる形で終わった。
「はぁ。老害って言うのよ、そういうの」
深いため息をつくと、諦めて去っていく。
老害呼ばわりはあんまりじゃないかなと思いつつも、赤の他人にそんな事をいう勇気はなく、立ち去る彼女をただ見送る。
それから、おばあちゃんも重い溜息をついた。
「見苦しい所を見せてすまないねぇ。昔は、皆で白神様を信じていたのに、今じゃあんな扱いで……時代の変化は、悲しいモノね」
物悲し気にそう言って、神社のある方向を眺める。
ともきが知る中でも、時代の流れで変わった事は多くある。これもそのうちの一つなのだろう。
しかし、ともきは今の白神様も昔の白神様も知らない為、大した感想は抱けなかった。どこへ向かっているのか分からない多少の同情はあったが、それでも完全に汲み取る事は出来ない。そんな心情を察してくれたのか、おばあちゃんは苦笑いを浮かべる。
「あぁ、ごめんなさい。他所の人にこんな話しても困るだけよね。気を付けていってらっしゃい、白神様は、優しいお方ですから」
にこりと微笑んで、送り出してくれた。
しかし、正直ともきは神をいるとは思っていない。存在を否定するわけではなく、実際いてもいなくても現状は変わらないだろうと考えている。いたらいたらでふぅーんと思うだけだろう。まぁ、写真は撮るとは思うが。
あの若い女があんなにも白神という神を否定した理由は解らない。曰く付きの神様なのかもしれないが、おばあちゃんはそれを優しい方だと言った。何も知らない者からしたら訳が分からないだけだが。まぁ、何かあったらその時はその時だと、おばあちゃんに教えてもらった道でそこに向かった。
所々で撮影しながら歩き、最初の鳥居の前まで辿り着く。その時ともきは、先が見えない階段を前に一瞬だけ立ち止まった。
(これ、上まで付くのにどんだけ掛かるんだ……?)
自分の脚の心配をしたが、ここまで来て行かないという選択肢はない。
頑張れ、己の脚! 気合を入れるなら今なんだ! そう意気込んで、一段目を踏みしめた。
そうして意気込んでみたはいい物だが、この体ももうバリバリに若い訳ではない。なんせもう直ぐ三十路だ。それなりに体力はある方だと思っていたが、それをはるかに超える消耗だった。
山の景色は単調な為、どれ程進んだかの把握がしづらい。一体どれ程の時間を費やしているかの把握もままならないまま、頑張って先を進む。
一体この階段はどこまで続くのだ。軽く山を登ったところだとは聞いたが、ここまで登るとは聞いていない。そもそも、この長さの階段を歩く事は「軽く階段を登る」の範疇ではないだろう。大分だ、大分階段を登るだ。
ともきが情報源であるサイトの記者を軽く恨んでいると、ようやっと終わりが見える。
「はぁ……やっとか」
最後の一段を踏みしめると、深い息をついて膝に手を突いた。
辿り着いたのはいいが、夕方になってしまった。村に着いたのが昼頃だから、大体三時間ほど登っていた事になる。途中で疲れて休んだからと言うのもあるが、それでもこんなに時間がかかるなんて、完全に想定外だ。
しかし、夕暮れ空をバックに立つ神社、中々画になる。
きちんとお参りしてから、カメラを構える。そして様々な構図で撮った後、ふと思った。
(どうせ夕方だ。ここまで来たら、夜と朝にも撮るか……うん。そうしよ)
こんな事もあろうかと薄手の毛布やらその他諸々を持ってきたのだ、問題ないだろう。何もここで一週間生活をする訳ではないのだから。
スマホがあれば暇になる時間も潰せるだろう。現代文明に感謝だ。
そうして、夜の神社も無事画に収め、明日の朝まで寝る事にする。流石に土の上に横になりたくないから毛布は下に引く事にして、掛布団は今羽織っている薄手の上着を代用する。
「おやすみなさい」
誰に言う訳でもなくしっかりと習慣付いた挨拶を口にすると、ともきは目を閉じる。昔からどこでも眠れる事で有名(内枠では)なともきだ、こんな場所でも難なく眠りに付けた。
――夜中、灯の無い夜空には星が綺麗に輝いている。ともきは気付きやしなかった、自分の寝顔を覗いている何かがいる事に。
その何かはしばらくともきを観察していると、賽銭箱の中に放り込まれていた五円玉を取り出し、その穴を覗く。
一体いつぶりの賽銭だろうか、と。
「ふふ、いい事考えた……」
そんな少年の声に気が付かず、ともきは平和な顔をして熟睡している。相変わらず写真でも撮っているのであろう寝言を呟きながら、一つ寝返りをうった。
●
その時、ともきは体に走る違和感によって目を覚ました。
体が痛い。そりゃあんなところで寝ていたのだから、多少の痛みは出るだろう。この体も年老いてはいないが若い訳ではない。
目を閉じたまま、硬くなった体をほぐすようにぐぐっと背伸びをして考える。
(そうだ、俺神社の前で寝たんだった……あぁ、体いてぇ……これ、フローリングで寝た時と同じような感じだ……)
そこまで考えて、目を開く。その時ともきは、ようやっと今自分が置かれている状況を理解できた。
(んぁ。どこ、ここ……?)
確かに、神社にある木の下で眠ったはずだ。まだどこかの家の中とかにいるのであれば、外に眠っている自分を心配して誰かが運んでくれたか、もしくは神社に行った事は夢で、どこかのお宅に一泊させてもらっていたかと想像できる。
しかしながら、これでは想像も出来ない。自分は、神社にあるような赤い橋の上で目を覚ましたのだ。しかも、この橋は宙に浮いているではないか。普通に、あり得ない。
「ん……あれ、俺……」
周りを確認するように見てみれば、空はなんとも綺麗な紫色で不気味だ。そして宙に浮かぶいくつかの鳥居と橋。不思議空間という言葉がぴったりだ。
さてどうしたものかと立ち上がり、ともきはとりあえずカメラを構える。シャッターを切ってから撮れた物を確認してれば、かなり良さげな一枚が出来上がっていた。
不気味さもありながら、どこか美しさも感じる一枚。まるで現実とは思えない景色であるが故に際立っている。
「うん、いい画だ」
納得したように頷いて、もう一枚。
「君、写真の事しか頭にないの?」
そんな声が聞こえた為振り返ってみれば、そこには小さな少年がいた。
白い髪に赤い目をしていて、黒い布で口を覆っているがなんとなく雰囲気で分かる。こやつは美男だ。
何はともあれ、ともきは一つすべき事がある。
「一回撮影だけしていいか!?」
「……君。もしかしなくとも、馬鹿だね」
呆れたように言い放って、少年は姿を消した。ともきは一瞬の出来事に驚いたが、またも背後に現れた気配は振り向かずとも分かった。
どう考えても、普通の人間じゃ出来ない事だ。理解が追い付かない状況に、不意に冷静になったともきは、背後を振り向き疑問を投げかける。
「えっと、君は一体何者なんだ? 俺、ここがどこかも分からないし……」
本来これが、真っ先に出てくるべき言葉だったのだろう。少年はその赤い瞳を細め、問いに答える。
「『白神様』……人間たちに聞かなかった? それが僕だよ」
「最も、今は白忌神らしいんだけどね」
彼は、ははと嘲りも含んだ渇いた笑みを浮かべる。
そうして、白神を名乗る彼は問うてきた。
「ねぇ、君はなんて言うの?」
「あ、俺は黒鳥ともき。えっと、白神って呼べばいい?」
ともきは何となく察していた。この神は、あのお婆さんや若い女が言っていた神様だろう。白神様だか白忌神だかなんだか。しかし、白忌神の呼び名は本人も好いていないだろうし、呼ぶとするなら白神の方だろう。
これはともきの気遣いだ、
「ま、いいよ。呼びたいように呼べば」
しかし、聞こえたのはそんな淡白な返答だった。
見た目が美少年なだけあって、それはまさに愛想のない子どもだ。まさか忌神と呼ばれる方がお好きだったか、そんな事はないと思うのだが。
考えて、ともきは思いつく。
「あ。もしかして、様とか付けた方がよかった? 神だもんな、やっぱ呼び捨てはNG?」
訊くと、白神は表情一つ変えずに首を振る。
「いらない。無神論者が無理しなくていいよ。おいで」
「いや、別に無神論者って訳じゃないけど……」
まぁ、信じている訳でもないのだが。どちらかと言えばただの無宗教だ。初詣には神社に行き、一族の墓は寺にある。両親の結婚式はチャペルだったようだし。なんて、そんな風に言っても神様ご本人には無神論者も無宗教も変わらないのかもしれないが。そんな事を考えながら、ともきは橋を渡って行く白神の後を追った。
それにしても、写真映えする場所だ。この神秘的ながらも不気味な感じ、刺さる人には深くに刺さる画だろう。パシャパシャとシャッターを切りまくるともきに、白神は何か言いたそうにしていたが、結局何も言ってこなかった。
不思議空間の中、橋の上を渡り続ける。一つ一つが不規則に浮かんでいるように思えるそれは、一応道順があるようだか、ともきはそれが分からない為連れられるがまま歩いていた。
橋の端まで歩くと、繋がっていない別の橋の上に移動しているという不思議な感覚をいくらか繰り返し、最後に宙に浮かぶ小島の続くところに辿りつく。これがまた、急な坂道のようになっていて、ともきの体力に追い打ちをかけた。
「ここだよ」
白神が振り返って言うと、息を切らしているともきを見て呆れたような顔をする。
「まぁ、三十路だもんね……」
「まだ二十九だよ!」
同情したかのような口ぶりに、ともきは精一杯の声で反論した。
それから顔を上げてその光景を見る。浮島の上には、一つの平屋があるだけだ。そこには扉がなく、正面のその壁は特殊な形状と言えるだろう。しかも、見える部屋には物が何もないのだ。
「なんだ、神様にプライバシーってのはないのか? この家、丸見えじゃん」
「心配せずとも、こんな所誰も来ないさ。それに、中をそのまま見せている訳ないだろ」
そう言うと、白神は扉もないその平屋に入って行く。
「ほら、おいでよ」
「あ、えと。お邪魔しまーす」
誘われて、ともきも中に足を踏み入れる。物一つ置いていないそこに一歩踏み込むと同時に、水たまりを踏んだような波紋が足元から広がり、パッとその内装が浮かび上がった。
そこはテレビにソファーにクーラーにと、とても快適そうな生活空間だ。率直に感じた事を告げれば、「思ってたんと違う」。
「神様って、こんな現代的な生活してんのな……」
「ご期待に沿えず申し訳ないね。僕も出来るだけ快適な生活が良いからさ」
ともきはそりゃそうかと呟き、脱いだ靴を端に寄せる。
「好きな所座りなよ。お茶でも持ってきてあげるよ」
「お、案外気が利くじゃん。サンキュー」
友達の家感覚でとりあえずソファーの上に座ったともき。ふうと一息ついた瞬間にふと相手が神様である事を思い出しハッとしたが、もう良いかと遠慮なしにくつろいだ。
そうしていると、麦茶を持った白神が呆れた顔をともきに向ける。
「仮にも神様の家で、よくまぁ普通にくつろげるね……。君の度胸は逆に尊敬するよ。はい、麦茶」
「座れって言ったのは白神だろ? 麦茶ありがと」
しっかり氷も入っているそれを受け取ると、からんとなんとも風流を感じる音がする。なんだか、夏と言った感じだ。
ともきに麦茶を渡すと、白神も向こうの一人掛けのソファーに腰を下ろす。どうやら、自分の分の茶は用意してこなかったみたいだ。
なんだか、自分だけ飲んでいるのは何となく嫌だったともきは、白神にその事を尋ねる。
「白神、お前は飲まないの?」
「僕は良いよ。そういうの、あんまいらないんだよね」
「ふーん」
神様というのはそう言うモノなのか、それともただ単に白神がそういう体質なのか。それは分からないが、そこは正直どうでもいい事だ。
そんな事よりも、ともきには訊くべき問いがあった。
「それで、訊きたいんだけどさ。俺はなんでここにいるんだ? やっぱ、神社で寝るのって良くなかった?」
ともきの表情はそこまでではないが、割と真面目な質問だ。
神社に撮影しに行くと言うのにすっかり忘れていたが、神社で寝ると呪われるだか祟られるだかなんだか、そういうオカルト話があるのだ。
ともきがそんな問いかけをすると、白神はこちらに顔を向けて話し出す。
「まぁ、神社では寝ない方が良いよ。そこにどんな奴がいるか分からないだろ」
「だけど、僕はそんな事で君をここに呼んだ訳ではない」
マスクのせいで表情を確認できないが、とにかく怒っている訳ではないそうだ。一先ず安心だろう。
しかしよく考えてみたら、相手が怒っていないとは言え、この状況は所謂神隠しなのではないか。そう勘づいて顔を上げると、白神はどこかニヤッとしているかのように見えた。
「僕、暇だったんだよね。丁度いいから、連れてきちゃった」
どこか愉快そうなその神様に、ともきはその一瞬で「やらかした」と気が付いた。
真名を教えちゃダメとか、そう言う漫画御用達の設定とかあったりするのだろうか。確かさっき、名前をフルネームで教えてしまったような……。ついでに年齢も。
さーっと血の気の引く気配を感じた。白神はなんとも美しい瞳を細め、そんなともきに告げた。
「気が向いたら帰してあげるよ。それまで僕の相手してもらうからね、黒鳥ともき」
これはもう、確定演出だろう。
全く、神社なんかで寝るからこんな事になる。ここで嫌だといったら帰してくれるだろうか? いや、そんな訳がない。
ここは一つ、腹をくくろう。写真を撮らせてもらった分のお代だと考える事にすれば納得できる。
いや出来る訳がない。明らかに重さが違う、どう考えても。
「流石に、浦島太郎みたいな事にはならんよな……?」
恐る恐る尋ねると、白神は平然と答える。
「さぁね」
ともきからすれば、神はその隠された布の下でニヤニヤしているように思えた。
あぁ、全く。神様というのは意地が悪い。だがこうなったらもう、持ち前の「何かあったらその時はその時」の精神で受け入れる事にするしかない。
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白忌神 物語創作者□紅創花優雷 @kuresouka
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