配信スタート!!
あれから数日後....自腹で買おうとしたものの結局親の愛には勝てず、色々な機材を用意して貰った。
いや、本当に申し訳ないよ。
そんなわけで、今の私はというと
「こんにちは!!今日から配信を始めた如月菜々子です!!よろしくお願いします!!」
とあるキッチンにて、配信用のカメラに向けてそんなことを言っていた。
うぅ、緊張するなぁ.......
:ちわ〜
:おっ!!新人さんか?
:菜々子ちゃん......._φ(・_・
は、はわわ!!
コメントが来てる!!
「コメントありがとうございます!!こちらこそ、よろしくお願いします!!」
:よろしく!!
:よろ〜
ふむふむ、配信ってこんな感じなのね。
「さて、私の配信では『視聴者さんの胃袋を掴みたい!!』をモットーにした配信をやろうと思っているので、基本的にお料理配信をやる予定です!!」
:お料理配信!!
:飯テロ!!
:可愛い子が料理を作るなんて俺得だろ
ふふん、そうでしょそうでしょ?
そう思いながら、私はまな板の上にある物を置いた。
それは、綺麗なサシが入ったいわゆる霜降り肉の塊で
:おっふ
:生の段階でも美味そう
:お高そうな肉だな.......
:それな
その肉を見た視聴者さん達は続々とコメントしていた。
「でしょでしょ?」
そんな視聴者さん達に対し、自慢げにそう言う私。
:まさかとは思うけど....黒毛和牛?
「いや違うよ?」
:え?
:ん?
「これはブラックドラゴンっていうドラゴン....つまりは竜の肉なんだ」
視聴者さん達に向けて私がそう言うと、コメント欄にコメントがしばらく投稿されないと思ったら
:竜の....肉?
:冗談はよしおくんだろ
:どっからどう見ても和牛じゃね?
:何か新人配信者ちゃんが爆弾発言をしている件
:人生何周目なの?
続々とそんなコメントで溢れかえっていた。
あ、そっか。
いきなりそんなことを言われても信じられないよね。
「一応ブラックドラゴンの尻尾肉もあるけど.......見る?」
:は?
:ドラゴンの.......尻尾?
:釣りだと思うけど一応見てやるよ
「了解!!ちょっと待っててね」
そう言った後、私はテーブルの上にブラックドラゴンの尻尾肉の入ったカゴを置いた。
やっぱりブラックドラゴンの尻尾はいつ見ても立派だねぇ。
:.......は?
:何かデカめなトカゲの尻尾だな
:合成かな?
:普通、こんな大きさのトカゲの尻尾ってあるか?
:というかご立派な鱗が付いてるぅ....
:ゆ、夢でも見てるのかな.......?
:それ思った
:まさかとは思うけど....これ、ガチのドラゴン肉?
「うん、そうだよ。ガチのドラゴン肉だよ」
視聴者さんに向けてそう言うと、案の定視聴者さん達はビックリしたのか
:マ ジ か よ
:ドラゴンって実在するのか....
:これ、ガチでヤバい配信なんじゃね?
:ドラゴン肉の調理とかロマンありまくじゃねぇか
:あれがドラゴンの肉.......
:フツーに美味そう
「ブラックドラゴンはね、食べられるドラゴンの中でもトップクラスで美味しいドラゴンとして有名なの!!例えるなら、さっき視聴者さん達が言ってた黒毛和牛的な存在だね」
:食べられる.......ドラゴン?
:そんな分類初めて聞いたんですが
「まぁ、異世界基準だし.......」
:異世界!?
:これ異世界産なの!?
:どうりで初めて見るわけだ.......
:てか異世界って実在するのか
oh....めっちゃ驚いてる。
でも、そもそも異世界の存在はフィクションみたいなものだし、仕方ないか。
:ち、ちなみにどうやって入手したの.......?
「お父さんの昔のパーティーメンバーからの貰い物だよ。その人、事あるごとに色々な食材を贈ってくるんだよね」
:何か異世界ラノベっぽい単語が出てきたんだが.......
「アハハハ!!そうかもね!!」
おかげでドラゴン肉には困らないけどね。
「でも、ブラックドラゴンはドラゴンの中でも最強の部類に入るドラゴンだから、めっちゃ貴重なんだ!!だから、あっちの世界ではお高い肉扱いされてるんだ」
:だから黒毛和牛で例えたのね.......
:そんなヤバそうな物を貰う菜々子ちゃんの家ヤバくね?
「ん〜、そうかも?」
:認めちゃったよ!!
:逆にどんな家庭なのか気になる.......
う〜む、ごくごくフツーの家なんだけどなぁ。
「ドラゴン肉の話に戻るけど、ドラゴンの肉は生でもいけるんだよね。まぁ、こっちでいうところの馬刺しみたいな感じだね」
ドラゴン刺し....久しぶりに食べたいなぁ。
:ドラゴン刺し!?
:それはそれで凄いなオイ
:異世界でもナマモノは食べるんだね
「知らないの?異世界では浄化魔法を使えばナマモノは食べられるんだよ?」
:そんなことは知りません
:んなことを言われても.......
:そんな常識があってたまるか!!
:ヤベェ.....ヤベェよ....
.......アレ?何かみんな引いてるような?
ま、いっか。
「とにかく!!今からこのブラックドラゴンの霜降り肉と尻尾肉を使って、お刺身とテールスープを作ろうと思いま〜す!!」
今からみんなの胃袋を掴むから、覚悟してね!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます