この世界に捧げる異世界グルメ〜地球に帰還した勇者の子は異世界グルメに関する配信をするようです〜
@marumarumarumori
序章
『てなわけで、この前シュールストロレミング味のポテチを食べたんですよ〜』
私は配信者という存在が好きだ。
その一番の理由は何といっても独特のカリスマ性やセンスを持っているからだ。
しかもその個性は配信者によって千差万別で、そこがたまらないのだ。
「はぁ〜.......今日のタクヤくんも超カッコいい!!あ、もちろんお父さんもカッコいいけどね」
リビングにいるお父さんに向けて私がそう言うと、お父さんは
「だろ〜?」
自信満々な様子でそう言った。
「お父さんがカッコいいのは当たり前よ。だって、私のような聖女が惚れた勇者様なんだから」
私の言葉に対し、ニコッと笑いながらそう言うお母さん。
私の、如月菜々子のお父さんとお母さんは、結婚する前は勇者と聖女という関係性だったらしい。
と言っても.......お父さんは地球出身でお母さんは異世界出身だけどね。
んで、お父さんは魔王を倒した後にお母さんと一緒にこの世界に戻ってきて、そのまま結婚してお母さんは私を出産したってさ。
だからお父さんの剣の腕はピカイチだし、お母さんの癒しの魔法の腕も最強なんだ!!
「おいおい、今の俺は勇者じゃなくてただのサラリーマンだぞ?」
「今のあなたがサラリーマンだとしても、私にとってあなたは世界を救った勇者様よ」
そんなことを言いながら、イチャコラする二人。
.......眩しいなぁ。
「にしても....最近の配信者ブームは凄いなぁ」
デジタル社会となった今の時代、スマホや機材があれば簡単に配信者が出来るようになったので、配信者デビューする人がたくさんいるのまた事実。
なので、そういうのを見てると.......
「自然とやりたくなるんだよね....」
スマホの画面に樹推し配信者の顔を見つめながら、そう呟く私。
そんな私を見たお父さんは一言
「だったらやればいいんじゃないか?」
と言った。
「え?」
予想だにしていないお父さんの言葉に対し、思わず言葉を漏らす私。
すると、お父さんの言葉に続くようにお母さんがこう言った。
「私もお父さんと同意見。最近までテストがあったみたいだし、気分転換にやってみたら?」
お父さん....お母さん.....
「二人って神なの....?」
「「ただの人間だけど?」」
私の言葉に対し、グッドポーズをしながらそう答える二人。
....お父さんとお母さんのこういうところ、大好き!!
「んで、具体的にはどんな配信をしたいんだ?」
「そうだね....とりあえずは異世界食材の飯テロ配信」
私がそんなことを言うと、お母さんは何かを思い出したのか....冷蔵庫を漁ると、ある物を取り出した。
こ、こ、こ....
「これは....!?」
その食材の姿を見た瞬間、思わず言葉を失う私。
そういえば、お父さんのパーティーメンバーの人がコレをうちに贈ってたのすっかり忘れてたわ!!
「フフフ.......これさえあればみんなの胃袋を掴めることが出来る....」
「菜々子、悪い顔になってるぞ」
何はともあれ、配信者としてデビューをするために準備を進める私なのだった。
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