第5話 女神様は華麗に変身! (1)

「うりゃぁ!」

「…………」

「わりゃぁあああっ!」

「…………」

「こんちくしょう!」

「…………

「なめんなよ!」

「…………」


 僕は暗黒化している黒の宰相こと董卓仲頴の軍師だった李儒と取っ組み合い! 殴り合い! を唸り吠えつつ。でも相手の李儒の方は何故か無言だけれど乱闘をしている最中……。


 そう先程僕は城壁の上から良い子に下を覗き──地面へと落下した御二人……何太后さまと劉弁小霊帝さまの様子を窺おうとしたら、後ろがあぶない! と女性が危険を教えてくれた。


 だから僕は振り向きながら裏拳で李儒の真っ黒な顔へと打撃──!


 その後はこの通りで、僕は異世界ファンタジーな冒険譚の主人公ヒーロー達のように李儒悪者と対決……。


 それも素手で殴り合い、蹴り合い、転ばし合い、取っ組み合いの泥臭いタンマンをおこなっている最中……。


 だってここは! この世界は異世界! 


 それも多分、僕がプレイをしていたアプリケーションゲーム……。急なメンテと共に配信中止になったの世界だと、僕は何故か確信しながら思える。


 でも異世界召喚を告げた僕には何故か、自分へと異世界チート能力の魔力や武力……。


 そして武器を与えてくれる女神さまの方が現れないので、僕のゲームの世界での異世界冒険譚は敵との素手でのタイマン一本勝負になっている。


 だから僕は少々疲れた……。顔や身体中が痛いなと不満を漏らしながら。先程僕の危機を教えてくれた女性は誰だろう? と思う。


 まあ、思うだけよ~~~! だって僕が気を抜き力を加減すれば。悪しき者李儒が文官タイプの軍師の癖に生意気にも僕の顔へとロ〇コンパンチをうりゃ、あああっ! わりゃ、あああっ! ではなく。

 こいつはロボットやサイボーグ、AIのように無言で「…………」と殴ってくるから。


 僕は李儒の見えない首へと、多分ここだ! と思う場所に、自分の二の腕を回して──スリーパーホールドで敵の動きを止める。


 まあ、止め続けているから本当に疲れた、面倒だな……。早く僕の夢の中? アプリゲームの中? から覚め、抜けでてベッドの上で安眠……。熟睡をしたいよな~~~! と思う。


「うごぉ、おおおおおおおおおっ!」、

「うがぁあああああああああっ!」


 僕がこの手の異世界冒険譚のお約束事のように自分の集中力を切らして愚痴や嘆き……。


 そして周りの世界……。僕の瞳に映る世界観を注意深く見てフムフムと観察するから。

 悪代官の李儒のやつがやっと声を……。それも怒声? 罵声? まあ、咆哮かな!?


 まあ、こいつが吠えると自分の首に回っている僕の二の腕を強引に解き、離し、突き飛ばし、李儒は城壁から落下──!


そして李儒は地面に立つと──。あいつの黒い身体はスター〇ォーズの〇ースベーダ―卿のような甲冑姿へと変貌しながら巨大化していった。


 だから僕は悪者李儒の容姿を下から見上げながら。


「何だぁああああああっ、こいつはぁああああああっ!?」と驚嘆した。



 ◇◇◇


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