第3話 悪しき軍師李儒(1)

「いやだぁ! いやだぁ! 死にたくない……。死にたくないよ、朕は……。李儒! 朕のことを助けてぇ~! 助けてよ~、お願いだ~! 頼むよ~!」


 今日も何太后さまが手を差し伸べる城壁の上には中華の高貴な人の象徴であるべんかん冕冠をかぶった幼い男の子が泣き叫びながら、自分の首を両手で握る黒い男……。


 名はと呼ばれる超がつくほどの悪者へと小さな男の子は泣きじゃくりながら命乞いをする。


 でもと呼ばれる男……。


 僕もと呼ばれるアプリケーションゲームをプレイしているから黒い影の悪者がどんな男かぐらいは知識がある。


 そう現代、未来の、とある日出ずる国の政治家達のような、国民に対して悪しき重税政策と賄賂による政治をおこなった宦官上がりのが居て。何太后さまの兄である何進大将軍が十常侍の悪しき政治や悪態に対して耐え切れなくなり、世のため、人のため、漢王朝のためにと天誅──修正を加えようとするが。

 彼は志半ばで十常侍の悪しき策で暗殺されてしまい。


 それに憤怒した何進大将軍の部下達が十常侍を殺害する。


 でも十常侍の数名が劉弁小霊帝と協王子を洛陽から連れ出し、逃走を計る。


 しかし何進大将軍が率いていた近衛隊のメンバー達……。後の群雄割拠の時代の到来と共に、領主や大将軍となる袁紹や袁術……。


 そして後漢──。三國志一の大英雄となる覇王曹操なども逃走を計る十常侍の生き残りのメンバーと小霊帝と協王子の後を追い探索をする。


 でも近衛隊のメンバー達よりも涼州の暴れん坊と名高い男……。


 そう後に十常侍どころではない悪政……。恐怖政治と言う奴を漢の国民へと布いた魔王董卓が十常侍の生き残りのメンバーと小霊帝さま……。


 そして協王子を保護し、確保することに成功するから、董卓仲穎の軍師である黒の宰相李儒が悪しき策を思案……。


 自分の主である董卓仲穎の天下取りの策を実行し始める。


 そう彼──李儒の天下盗りの策は、皇帝らしくない気弱な劉弁王子小霊帝を先ずは排除すること……。


 そして弟の協王子を霊帝とすることで、自分の主である董卓仲頴が霊帝の後見人となり、陰から操り。漢王朝を徐々に衰退させながら解体し、完全な実権を握ったところで敵対勢力は武力で排除、蹂躙して。

董卓仲頴を新しい時代の皇帝へとする悪しき策を弄した悪者が、あの黒き影の男みたいでね。


 あの男はやはりいつも何太后さまを城壁の上から突き落とせば、彼女と同じように城壁の上から小霊帝さまを強引に地面へと放り投げるから。

 彼も自分の母親のように地面で己の顔を潰して血まみれになった顔を上げ──城壁の上から自分達親子を見下ろしながら。


「わっ、ははは、ざまよ」と嘲笑う李儒ではなく。


 小霊帝さまも何故か何太后閣下のように僕の方を見詰めながら。


「うぅ、ううう、李術……。貴様だけは絶対に許さない……。必ずや朕は貴様に復讐をしてやるからな、覚悟しておれ李儒……」


 彼は虫の息のはずなのに僕に対して恐ろしい恨み辛みを申してくる。


 だから僕は今日も二人に「小霊帝さま、何太后さま、もう僕のことを許してください。解放してください。何でも言うことは聞きます。貴女達が望むならば一生賭けて償い、養いますから。僕を呪うのだけはもう勘弁してくだい。おねがいします」と泣きながら嘆願をした。




 ◇◇◇






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