12/8 即興の大変さと楽しさ
今から二年前、二〇二二年の八月のことです。カクヨムで、期間限定の毎日投稿キャンペーンが始まりました。
その時に私は、「夏だし、ホラー短編集の『蜘蛛ノ巣短奇譚』を毎日更新してみよう」と決めました。そうして、ネタ帳にあった候補を一つずつ書いていったのですが、しばらくしてネタ切れになってしまいました。当時から、自転車操業だったのです。
でも、どうせならば、このネタ切れを自分を鍛える場にしようと、即興で小説を書いてみることにしました。丁度、まだ内容を決めていない「
『蜘蛛ノ巣短奇譚』は、どんな内容のホラーでもOKですが、誰かが語っている系の話、というくくりがあります。なので、暑いという世間話、夏になると思い出すこと、そして、語り手の中学時代の陸上部夏が宿の思い出までは、意外とスムーズに進みました。
海の話とまた人魚の話になってしまったのは、まあまあご愛嬌として、ですが、急に、ほぼ無意識的に『「しかし、おなごを喰らう男というのは、いつの時代もいるものです」』という言葉が出てきました。
これによって、作品のカラーと方向性が決まったようなものです。意外な展開になりながらも、冒頭の伏線も回収するという、結構自分ではなかなかいいんじゃないかと思える一作になりました。
ただ、『蜘蛛ノ巣短奇譚』の中でも、こちらは大分PV数が少ないお話になってしまいました。理由は、例のごとく不明です。「嗄声」というタイトルで敬遠されてしまったのでしょうか。
でも、個人的には気に入っているので、抜粋して、コンテストに参加してみようかなぁとか思っていたのですが、この二年の間に、「嗄声」の続編と言いますか、解決編と言いますか、むしろカオスになる話と言いますか、そういうのが思いついたので、今回二つ繋げて投稿してみました。
・「嗄声と達磨」
→https://kakuyomu.jp/works/16818093090000628411
異なる二人の女性が語る、各々の体験談。それらは、不可解な繋がりを見せていて――
追加したお話、「達磨」は、とある都市伝説からの発想が濃ゆいです。他には、乙一さんの「SEVEN ROOMS」だったり、伊坂さんの『フーガはユーガ』だったりにも影響受けていたりします。
まあ、考えながら書いたお話は、上記のようにルーツがしっかりしているので解説しやすいのですが、「嗄声」の『「しかし、おなごを喰らう男というのは、いつの時代もいるものです」』は自分でもどっから来たのかよく分かりません。
多分、日々の生活の中で思っていることが、執筆中に無意識から浮かび上がってきたのかもしれません。即興は大変ですが、そういう驚きと楽しさもあるのです。
とはいえ、私個人にはとても大変なものなんですけどねぇ。世の中には、即興で連載して、あまつさえ、それが書籍化された作家さんもいるのですが、そういう人は本当に天才なんでしょう。
天才ではなくとも、それなりに頑張っていきます。ということで、今回は以上です。ではまた。
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