#4
自分の部屋に入ると、スクールバッグを学習机横のフックにかけ、スカートをボトム専用ハンガーに吊るす。ついでにブラウスも脱いで、ベッドに背中からダイブする。部屋の静寂の中で、さっきまでの自分の妄想が疼くようにリフレインする。私と夏澄が付き合えたら……。
目を閉じると、夏澄が少しいたずらっぽい笑顔を浮かべ、私にそっと手を差し伸べるような姿が思い浮かぶ。それだけで私の心は自然と温かく、優しい気持ちで満たされ、無意識のうちに指先が自分の胸元へと滑り込む。
「もしも、私が……夏澄と……」
想像の中で夏澄がそばにいる感覚を味わっていた。彼女が自分に微笑みかけ、その柔らかい表情が近くで感じられる――。そんな思いが、自分の中に秘めてきた熱をさらにくすぐる。ゆっくりと呼吸を整えながら、自分の手の温もりと、胸に秘めた想いを感じる。
「夏澄ぃ……」
誰にも届かない小さな声で彼女の名前を呼ぶと、その響きがますます私の心に火をくべて奥深くで恋の熱を増していく。
指先が自然とその熱を求めるようにゆっくりと動き、スリットへと沈んでいく。体が静かに反応していく。まぶたを閉じたまま、夏澄が優しく愛撫してくれるような、そんな甘い想像が広がっていった。
「もし夏澄が……こんな風にぃ、触れてくれたら……あぁ、んぁ」
そんなことを考えると、胸が高鳴って自分の鼓動がやけに大きく聞こえる気がした。現実では決して叶わないだろうと分かっているのに、心の奥底では、いつか自分に気持ちを向けてくれるかもしれないという淡い期待を捨てきれない。
夏澄にもっと近づきたい、もっと触れてほしい――。そう願いながら、左手の人差し指と中指を咥え、舌をなぞるように触れる。それはまるで、夏澄が自分の舌に優しく絡めてくるようなイメージだった。想像が重なり、甘く切ない気持ちが体中を包み込む。
「んじゅ……夏澄ぃ、かしゅ、みぃ……」
唾液で濡れた指でつんと尖った花蕾を撫でる。いつからか、夏澄に犯されたいと思うようになった。夏澄が好きだからこそ、触れるのが怖くなった。でも、夏澄からなら、触れてくれる。だから、もっと奥まで、私の内側まで触れてほしい。私の初めてを全部夏澄のものにしたい。
「ん、うぅっ!」
快感が奔って腰が浮く。荒い呼吸が落ち着くと、いつも自分が惨めになる。
「またやっちゃった……私、最低だ」
この感情が夏澄にバレたら、彼女にもそう罵られてしまうのだろうか。私を蔑む夏澄の視線を幻視し、快感の熱がまわっていた体はさっと冷めていく。なのに、やめられない。
「……はぁ」
重い体を引きずって、私はお風呂場に向かった。
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