たとえ、愛した人があなたじゃなくても。

桜庭幸

プロローグ

プロローグ

 もう一生恋をしないと決めていた俺に、彼女ができた。


 いつもの通勤に使っていた何も変哲のない道で、目の前でたまたま歩いていた女性だった。

 それまでは赤の他人だったはずの人が、ある一つの出来事で彼女を助けたいと思ってしまったことが、事の始まりだった。


 

――あれだけ引きずっていた恋。



 ……でも。それでも、彼女を好きになってみたいと思った。一緒に生きたいと思ってしまった。


 そんな俺と、彼女のほんの少し不思議な恋愛の話だ。



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