極秘作戦って響きはいいけど、使い捨てにされてる気がするのは俺だけだろうか?
極秘作戦決行当日。
参加する人員は四人一組+殲滅兵器(俺)、それを7部隊。それぞれバラバラな位置から潜入させるみたい。
当たり前だけどいつもみたいに奴隷や犯罪者ではなく、経験豊富な精鋭兵士と一緒に行動をする。
それを聞いて最初はすごく驚いた。
上の連中も思い切った行動に出たなと思ったし、部隊の人も同じ考えだった。
失敗する確率の方が高いこの作戦。失敗=死。つまり死んでもいい人選で構成されている?
俺の考えは当たりらしく、みんな心当たりがあるみたい。
この美人な隊長も誰かに恨まれて参加する羽目になったかと可哀想に思えてきた。
殲滅兵器である俺に対しても丁寧で優しく接してくれる。
なんとか生かして帰して上げたいけど。
作戦内容を聞いた感想だけど……うーん、無理かもしれない。
作戦の都合上できるだけ隠密に行動するため破壊粒子砲の使用は厳禁。そのためストレスが酷い。
どうも、被検体:E43895です。
作戦は至って単純、奴隷や犯罪者たちが囮としてΩたちを攻撃し、その間に極秘作戦の7部隊が巣に潜入するというもの。
美人隊長や仲間の人たちもさすがは精鋭といったところで、苦も無く速やかにΩを倒していってる。
俺? 俺は殲滅兵器としての機能を生かしてΩの索敵と部隊の人が倒しきれなかったΩの掃討だよ。
みんな優秀なおかげで大体目標である巣まで半分を過ぎた辺りで小休止をすることに。
索敵をしている俺をよそに隊長と部隊の人たちは身の上話をし始めた。
部下をかばい上官を殴った者、病気の妹のため過酷な任務に挑む者、スリルを求めて自ら志願した者、といった理由で部隊の人たちが話し終えたところで隊長の番になった。
絶世の美女と称しても過言じゃない隊長が、どうしてこんな作戦に参加したのかみんな気になっていたらしい。
かくいう俺もめっちゃ気になっていました。こうしている今も索敵しながら盗み聞きしてる真っ最中です。
残念なことに隊長が口を開いた瞬間にΩの反応を感知した俺の一声で、全員が戦闘モードに意識を切り替わった。
隊長の話は生きて帰った後にするということで落ち着き、部隊はΩの巣に向けて行動を再開した。
やっぱりΩの巣の中心に近づくにつれて遭遇するΩの数も増えていく。
この辺りからΩとなるべく接敵しないようにやり過ごす方向に行動基準を変更。
遠くの方やそこまで離れてない距離から戦闘音が聞こえ、他の部隊がΩに見つかり戦っていること分かった。
隊長はこれを利用して近づこうとして、俺にΩが薄いルートを算出させ、一気に巣の中心へ急いだ。
負傷しつつも無事に巣の中心へたどり着いた俺たちの目に映ったのは、驚くべき光景だった。
Ωの特殊個体、それは予想できた。
問題はその総数である。
およそ1000体の特殊個体のΩがズラリと並んでいた。
幸いなことに現在は活動停止しているらしく、直ぐ側に俺たちがいるにもかかわらず反応していない。
この情報を直ちに持ち帰るため隊長は退却を決断。みんな異論はなかった。もちろん俺も。
撤退中に後方から爆発音が聞こえ、全員が顔を顰め舌打ちをしたのを聞いた。
おそらくは生存していた部隊があの特殊個体のΩたちを見て、破壊を試みたのだろう。あるいはヘマして見つかったか。
これまで準活動状態だったΩたちが活動状態になったのを俺は察知し報告する。
それを聞いた隊長の判断は明確で、見つかるのを恐れず一直線に進み前線へと帰還することだった。
隊長の判断を支持し、部隊のみんなは隠密用装備からΩ撃滅用装備へと切り替える。
そして、隊長の破壊粒子砲で道を切り拓けとの命令に、俺は待ってましたと全力全開のMAXフルパワーの破壊粒子砲で、通りかかったΩごと眼の前の地形を吹き飛ばした。
周囲360°全部がΩという絶望的状況。
隊長の的確な指示、部隊の人たちの連携、俺の殲滅力もあってかまだ全員が五体満足で生きている。
だが、それもここまでかもしれない。
目覚めた特殊個体のΩの中でも足が速いやつが追ってきているのが分かった。
特殊個体のΩは俺が相手にしなければ駄目だ。しかし、それをすれば通常個体のΩによる物量差に負けて隊長たちは死ぬ。
破壊粒子砲の再チャージ完了までおよそ180秒。
どちらにせよ選択肢は一つしかない。
隊長たちは覚悟を決めたようだった。
俺も本気ってやつを出すみたいだ。
一時的に出力を120%にするブースト機能を発動した俺は、近接装備にて特殊個体のΩと戦っている。
この身体に備わった機能が刻一刻と変化する戦況を教えてくれる。
一人、また一人と倒れていく。
残り30秒。まだ特殊個体のΩを倒すことはできていない。
残り10秒、特殊個体のΩを倒すことを諦めたらしく、急ぎ隊長たちの元へ駆けつける。
まだ二人は生きていた。
残り5秒、生き残りは隊長だけになった。
残り3秒、2秒、1秒……。
ギリギリのところで救助に成功し、俺は隊長を抱えながら破壊粒子砲をΩどもにぶっ放したのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます