第9話 お椀の配膳
仲居として大変悩ましい問題が、ひとつあります。
それは『お椀』を下げるタイミング。
お客様が、蓋をきっちり閉めてしまうと、仲居は食べ終えられたのか、まだ口をつけていらっしゃらないのかが、わかりません。
冷めてしまうからと、お召し上がりの途中で蓋をされる方も多いので、下げるタイミングに苦慮します。
ですので、お椀を食べ終えられたら、ふせる時にちょっとだけ蓋を斜めにずらして欲しいんです。
それが蓋ものの「食べ終わりましたよ」の合図です。
そうすれば、一目で下げていいのかどうかが判断できます。
また、蓋をひっくり返して『食べました』を御報せ下さるお客様もみえますが、蓋の金箔が湯気で痛んでしまうので、やめましょう。
仲居が皿を引きにくいシチュエーションのトップ1は蓋物で、次に配膳の手間がかかるのは、お料理がもうあとわずかという器に箸を乗せたままにしたお客様。
箸が器に乗せられてると、
「お箸を除けて下さい」
的な、お声かけの手間が増える。お召し上がりの途中であれば、箸は必ず箸置きに。
あとは御椀に出汁だけ残っているとか、お皿に付け合せだけ残されてるとか、
「食べるんか、食べないんか、ハッキリせーや!」
と、心の中で叫びたくなるお客様。
残したければ仲居に「下げてください」と仰って頂けると助かります。
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