第20話鬱陶しい直長

視線を上善から外した楢崎の手に持った請求書兼工事明細書に眼を落し、さも今観た様な顔をして、「どうでしょうなあ。」


ルーペでも見る様に遠近両用メガネのレンズの下に眼を遣った。


屋根工事はドーム球場の要っですから値交渉は難しいですな・・・。」


上善を切り捨てに掛かる。


「せめて50億円くらいはなんとかして欲しい。」と、懇願する上善を滑稽な見世物でも観るようにニヤニヤした顔面でシートの背凭れに体幹を預けた。

 も

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る