???・2
雨が降ってきた。
この世界の雨は冷たい。文献にあった通りだった。弱った者を執拗に虐める、酷いものだ。
もう、どれだけ逃げ続けたのだろう。
足に力が入らない。眩暈はついに視界を歪め始めた。
駄目だ。追手との交渉はできない。それを、この数日で悟った。
もう、隠れることに専念したほうがいいかもしれない。そうすれば、少なくとも見つかることはないだろう。
どうしてこんなことになったのだろう。そんな、間の抜けた疑念がぷかりと浮かんだ。
私には、人間が理解できない。……何故だか、それがとても悲しかった。
ああ、疲れた。
ついに、膝が折れた。濡れた地面に、鈍い音が響く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます