第2話 死に戻りってことは……
つまり、この意味不明☆のスキルは回数限定だが力を保持したまま死に戻りできるスキルってわけだ。後多分、精神にプロテクトをかけるような効果もあると思う。
普通、自らの死は人の精神に多大なショックを与えるはずだ。だが、俺は今もぴんぴんしてる。自分が1回死んだとわかってはいるが、何も感じない。
よくないマインドなのはわかっているが………残機があるなら特攻するよな。
俺は子供の頃やってたゲーム……まぁ配管工を操作するゲームなんだが。
それでは攻略できるようになるまで残機を投じて突っ込むタイプだった。
ってことで。魔力強度を上げてやつにもう一度挑む!
と、ゴブリンたちを薙ぎ払い、魔力強度を上げながら意気揚々と扉があったところに来てみたが……。
「ないな……」
あの扉は影も形もなくなっていた。
周りを見渡してみるも、何もない。
なにか出現する条件とかがあるのか? 例えば、時間とか。俺があそこに挑んだのはちょうど昼過ぎ。現在時刻は11時ほどだから時間の条件は確かに合わない。少しまってみるか。
ゴブリンを狩りながら時間をつぶし、だいたい30分後。曲がり角を曲がった先に。
「あった……」
ふむ。俺は場所を間違えて憶えていたのか?
俺の今の魔力強度は……。
◇◇◇
名前 藤井 海斗
魔力強度 241
スキル 【L:99】
◇◇◇
だいたい推奨の半分か。これでどれくらいやれるか……お試しといこう。
というかスキルの表記が98から99になってるな。謎の小数点以下の数字も消えてるし。これもしかして時間経過で残機回復とかそんなのなのかね。まぁいいや。
とにかく今はあいつに挑む。目標は一撃加えること。
扉を開けて中に入る。前のように光が集まり、ホブゴブリンが現れる。
ホブゴブリンが動き始めた次の瞬間、俺の目の前まで一瞬で移動してきた。
早っ!? 嫌な予感がした俺はガードを固めるが、ホブゴブリンの打撃による衝撃で俺の体が壁の方まで吹き飛ばされる。
う、腕が痺れる。壁にぶつかったせいで、背中もいてぇ。
もとの場所を見ると、ホブゴブリンの姿はなかった。あいつ、どこに!?
次の瞬間、俺の目の前には緑色の足が迫っていた。
◆◆◆
気づけばゴブリンダンジョンの入り口。やられたな。一撃すら加えられなかった。
あいつをどう攻略する? ただ、魔力強度を上げたことによって最初よりも動きが見えるようになっていた。
この調子でいけばいけなくもなさそうではある。今回も特攻するかってことでゴブリンを数体倒して扉があった場所に来てみるが……。
やっぱりないな。なにか条件があるのは間違いなさそうだ。前回と前々回には時間の差もある。条件が時間ということはなさそうだが……。
とりあえず出現するまでゴブリンでも狩るか。
だいたい50匹ほど狩ったところで一度ステータスを確認っと。
◇◇◇
名前 藤井 海斗
魔力強度 324
スキル 【L:98(0.50)】
◇◇◇
300超えたな。いい感じだ。それと……謎の小数点以下の数字が復活してるな。また0.5かよ。こりゃ一体どういうことなんだか。
ま、いいや。とりあえず扉が出てくるまで狩りを……。
曲がり角を曲がると、突き当りにはあの扉。
神出鬼没だな、お前。いいぜ、もう一回やってやるよ。
俺は扉を開けて中に入る。そろそろ見飽きてきた演出と共にホブゴブリンが現れる。
ホブゴブリンは動き始めた瞬間にこちらへと距離を詰めてくる。前より遅く見えるがまだ早いな!
俺は姿勢を低く、ホブゴブリンの下に潜りこむような形で打撃を躱し、逆にやつの腹部へと攻撃を加える。
が、硬い。まるで鉄板を殴っているよう。それでも多少はダメージが入ったようで、ホブゴブリンは少しよろける。
チャンスだ。俺はよろけ、体勢が崩れたその瞬間にホブゴブリンの足を払う。
案外命を懸けた戦いはあっさりと終わるものだ。
「今のお前は知らないかもしらないが。意趣返しだ」
転倒したホブゴブリンの頭を踏み潰した。
……勝った! ホブゴブリンに勝ったぞ!!
ステータス上がったかね。ステータスを確認しようとしたところで、ホブゴブリンが出てきたときと同じような光が部屋の中心に集まっていく。
まさかの連戦かと思ったが、出てきたのは宝箱だった。
ほぉ、そういう感じね。
罠警戒で少し距離をとって腕を伸ばしながら恐る恐る開けてみる。
普通に罠はなかった。中に入っていたのは……。
おそらく鉄でできたロングソードと、そして……。
「スキルクリスタル! 初めて見たぜ……」
使うとスキルを手に入れることができるクリスタル。かなり高額で取引されているアイテムのはずだが……ラッキーだぜ。
早速使ってみる。ちなみに使用法はクリスタルを握りつぶすこと。けっこうクレイジーな方法だよな。
で、手に入ったスキルは……。
◇◇◇
名前 藤井 海斗
魔力強度 408
スキル 【L:98(0.51)】【格闘術(Ⅰ)】【剣術(Ⅰ)】
◇◇◇
うん? どっちだこれ。どっちがクリスタルで手に入ったんだ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます